FIAは、ピレリのタイヤ問題を解決する緊急処置として若手ドライバーテストへのレースドライバーの参加を許可することを発表した。F1イギリスGPでのタイヤバースト問題を受け、FIAは、F1テスト規約の即時の変更への許可を求めることを発表。シーズン中のレースドライバーのテストを禁止するという規約の変更は、世界モータースポーツ評議会に提出されることになるが、形式的なものになりそうだ。
若手ドライバーテストは、7月17日〜7月19日にシルバーストンで開催されるが、レースドライバーはタイヤ開発の作業のみが許され、マシン改善を評価することはできないと規定された。FIAは、テストフォーマットの変更を考慮し、F1チームがレギュラードライバーと若手の評価の両方を実施できるように1日拡大される可能性も示唆している。シルバーストンは、もはや若手ドライバーテストではなくなるが、メルセデスは“テストゲート”騒動への裁定のため、参加することはできない。FIAは、テスト規約の変更と同時に、シーズン中のタイヤ仕様の変更にはチームの満場一致の承認を必要としているテクニカルレギュレーションの改訂も求めている。ピレイは、デラミネーション(剥離)問題を軽減するために、F1カナダGPでリアタイヤのベルトをスチール製からケブラー製へ変更しようとしたが、規約の第12条6.3項により、実現できなかった。大多数のチームがその変更に賛成したが、フォース・インディア、フェラーリ、ロータスは、競争面への関係を懸念して反対していた。FIAは、今後、必要な根拠がある場合は、一方的であってもタイヤ仕様を変更する権利を望んでいる。この動きについてFIA会長のジャン・トッドは「我々のプライオリティは、F1でのあらゆる安全性を確実にすることだ。我々はシルバーストンでの事故がドライバーにとって正真正銘の安全性の懸念を表していると思っている」とコメント。「従って、我々はイギリスGPでの問題を解決するためのタイヤ開発を実行するため、チームが適切であると考えるドライバーを利用できるように若手ドライバーテストを変更するという決定をした」「問題が明らかになったサーキットでこの作業を実施するのは適切なことだと思っている」