F1ベルギーGPの1周目のクラッシュは、F1へクローズドコックピットを導入する動きを加速させた。ロマン・グロージャンのマシンは、玉突き衝突でフェルナンド・アロンソのコックピットの上を飛び越えた。フェルナンド・アロンソが、ヘルメットに全く衝撃を受けなかったのは幸運だったが、この事故はF1の安全設計の最大の弱点を際立たせることになった。
FIAとF1の技術チームは、クローズドコックピットのコンセプトの研究を続けている。マクラーレンのテクニカルディレクターを務めるパディ・ロウは、1コーナーでのクラッシュは、その仕事がどれくらい重要かを思い出させたとし、2014年という早い時期にもコックピットデザインを変更するという動きを増加させたと述べた。コックピット・プロジェクトに関わるパディ・ロウは「1年前にプロジェクトをスタートさせており、2004年を意図している」とコメント。「我々が抱えている大きな(安全性の)露出であり、個人的には回避不可能なことだと思っている」「再三再四そのようなものを見て“あれはラッキーだった”と思ってきた。いつかそれは幸運ではなくなるかもしれない。オープン・コックピット・フォーミュラであり、我々はそれを保護しなければならない。だが、なんとかして技術的にそれを可能にしなければならない」クローズドコックピットへの取り組みは、マシンの部品が頭部を直撃した2009年のハンガリーGPでのフェリペ・マッサの負傷、そして数日後のF2レースでのホイールが直撃してヘンリー・サーティーズが死亡した事故を受けて強化された。パディ・ロウは、当初検討されていたキャノピーによる保護は、テストでバー/ケージ型のデザインの方がずっと適していることが示されたため放棄されたと述べた。「テスト部品を作り、ホイール発射のような様々な衝撃で構造的にそれをテストした。それは成功だった」「必要とされる角度や部品の強度に関するパラメーターのいくつかは理解できた。現在進行している作業は可視性の評価だ。我々は自分達の解釈でシミュレーターでいくつか作業を成し遂げた」「理想的にドライバーは何もないことを望むが、同時に皆は市販車やセンターピラーがついている古いフォルクスワーゲン・キャンパーバンでさせ運転しているし、それに慣れているよね? ピラーが大き過ぎない限り、慣れることができるとわかった」「なので、ピラーのサイズについていくつかパラメーターを得ており、今はそのピラーのサイズと適切な強度条件とで作ることを検討している」だが、フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリは、必要な安全性に関する考量点が多数あるため、クローズドコックピットの作業を急ぐべきではないと述べた。「フェルナンドの頭部に何も起こらなかったのは幸運だった」「我々は保護のシステムに取り組むために組織で作業している。テストや取り組んでいるものには、火災が生じた場合などの保護の動きのようないくつかの問題もある。なので、我々は全てのデバイスに対して非常に慎重になる必要がある」関連:フェルナンド・アロンソ 「怪我をしなかったのは幸運だった」