FIAは、ブロウン・ディフューザーを規制し、スロットルがオフの状態で排気ガスをディフューザーに吹き付けることを禁止したと報じられている。2011年の開発レースにおいて、多くのチームがブロウン・ディフューザーを重要なエリアとみなして独自のコンセプトを推し進めている。特にコーナーでのダウンフォースを最大限に引き出すべく、スロットルをオフにした状態でもディフューザーに排気ガスを継続して吹き付けられるようにエンジンマップの調整には大きな努力が費やされてきた。
しかし、報道によると、FIAは今週末のスペインGPからドライバーがスロットルを踏んでいない場合にエンジンから排気ガスを流し続けることを許可しないとチームに伝えたという。いくつかのチームは、ブレーキング時にも排気ガスの流れを100%維持することで空力的な利益を得てきたが、今後はスロットル入力の最大値の10%以上は許可されないという。FIAは、この規約変更を通して、スロットルの使用はトルクを増大させることにのみ許可され、空力パフォーマンスのために使うことは許されないとした。技術レギュレーション3.15条では可変空力デバイスが禁止されており、スロットルをオフにした状態でのブロウン・ディフューザーの使用はこれに違反することになる。メルセデスGPのチーム代表ロス・ブラウンは「あらゆるチームがエキゾーストから最大限のアドバンテージを得るためにエンジン管理システムを開発してきた。だが、FIAは異なる方向を推し進めることを進めており、そこには変化が起こってくるだろう」とコメント。「どのような結果になるかは見当がつかない。だが、全てのチームがエンジン戦略面で新しいことを目指さなければならない」マクラーレンは最近、レッドブルの予選パフォーマンスはスロットルオフ時のエンジンマップが重要な役割を果たしているとほのめかしており、この規約変更はレッドブルに大きな影響を与える可能性がある。レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「利用していた全てのチームに影響を及ぼすことになると思う」とコメント。「どれくらい多くのチームがブロウン・ディフューザーを走らせているかを見た場合、グリッドの90%がそうだと思う。今年独自のことではなく、昨年始まったことだ。バルセロナでどのような影響があるかが明らかになるだろう」