2025年F1シーズンは成績面で厳しい戦いを強いられたものの、フェラーリの評価は揺らいでいない。フォーブスが発表した2025年版「世界で最も価値のあるスポーツチーム50」において、フェラーリF1は評価額65億ドルで26位にランクインし、F1チームとしてトップの座を維持した。同ランキングでトップ50入りを果たしたF1チームは、フェラーリとメルセデスのわずか2チームのみ。
ドライバーズ、コンストラクターズ両タイトルを制したマクラーレンや、マックス・フェルスタッペンを擁するレッドブル・レーシングが圏外にとどまる中、フォーブスの評価はF1における「勝利」と「資産価値」が必ずしも一致しない現実を浮き彫りにしている。フォーブス2025年スポーツ資産価値ランキング F1は2チームのみフォーブスが発表した2025年版「世界で最も価値のあるスポーツチーム50」において、トップ50全体の評価額は総額3,530億ドルを超え、前年から22%増加した。首位はNFLのダラス・カウボーイズで、評価額は130億ドルに達している。6年前の2019年、ダラス・カウボーイズは50億ドルで評価されていたが、2025年現在ではその金額ではトップ50入りすら果たせない。48位にはデトロイト・ライオンズ、リバプールFC、トロント・ラプターズが並び、いずれも54億ドルで評価されている。評価額上昇の背景についてフォーブスは、メディア放映権料の急騰を最大の要因として挙げている。リーグからの分配金が拡大したことで、NBAやNFLのフランチャイズ収益が大きく伸び、それがチームの売却価格や評価額を押し上げたとしている。フェラーリがF1勢トップ メルセデスも復帰2025年のトップ19はNBA、NFL、MLBといった北米スポーツチームが独占したが、20位にはレアル・マドリードが入り、評価額は67億5,000万ドル。北米以外のクラブとしては最上位となった。プレミアリーグではマンチェスター・ユナイテッドが24位で66億ドルと評価され、NFLのタンパベイ・バッカニアーズと並んでいる。F1チームとして最上位に入ったのはフェラーリだった。2025年シーズンは苦戦を強いられたものの、26位で評価額は65億ドル。フェラーリはピッツバーグ・スティーラーズと同額評価となっている。フォーブスは、7度の世界王者ルイス・ハミルトンの加入も含め、フェラーリが持つ圧倒的なブランド力を評価の要因として挙げた。もう1チームはメルセデスだ。2024年はF1チームが評価対象外だったが、2025年は34位に返り咲き、評価額は60億ドルとなった。チーム代表トト・ヴォルフが率いるブラックリー拠点のチームは、シカゴ・ブルズやロサンゼルス・チャージャーズと肩を並べる位置づけとなっている。王者マクラーレンとレッドブルは圏外一方で、リスト入りを逃したチームの顔ぶれは大きな驚きを呼んだ。2025年にドライバーズ、コンストラクターズの両タイトルを制したマクラーレンF1はトップ50圏外だった。過去5年間で評価額は約500%上昇し、直近ではおよそ45億ドルと見積もられているが、トップ層に食い込むには依然として数十億ドルの差がある。同様に、レッドブル・レーシングもランク外となった。マックス・フェルスタッペンの圧倒的な成績と世界的な存在感を誇りながらも、評価額ではトップ50に届かなかった。また、大規模な設備投資とスポンサー獲得を進めているアストンマーティンF1も、今回は選外となっている。フォーブスの評価基準とF1の現在地フォーブスは評価方法について、チーム価値は「株主資本と純有利子負債を合算したエンタープライズバリュー」に基づくと説明している。スタジアムの経済価値は含まれるが、不動産そのものの価値は含まれない。地域スポーツネットワークからの放映権料は反映される一方、ネットワーク自体の価値や、他スポーツ資産、複合不動産プロジェクトへの持分は除外されている。すべての数値は米ドル建てだ。評価プロセスでは、最近の取引データの分析に加え、チームやリーグの幹部、オーナー、投資家、投資銀行関係者、アドバイザーらへの取材、公的資料や業界調査の精査が行われたという。NFLが依然としてランキングを支配する一方で、F1の成長軌道は明確だ。アメリカ市場でのファン拡大と放映権料の上昇が続けば、マクラーレンF1やレッドブル・レーシングが将来的にフォーブスのトップ50、さらには上位層で存在感を示す可能性は十分にある。
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