スクーデリア・フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、2026年F1シーズン最初のテストに向け、フェラーリが投入するのは実際の2026年F1マシンではなく「スペックA」と呼ばれる仕様のマシンになることを明かした。最初のテストセッションについて、バスールはThe Raceおよび複数メディアに対し、次のように語った。
「この状況で最も重要なのは走行距離を稼ぐことだ。パフォーマンスを追い求めることではなく、信頼性という観点からマシンの技術的選択を検証するために走行距離を重ねることが目的だ。その次にパフォーマンスが来る。バルセロナには、いわゆるミュールカーではなく、いわば“スペックA”を持ち込むことになると思う」バルセロナテストでの目標昨年のF1ではテストはわずか3日間だったが、新レギュレーションが導入される今季はその3倍となる。バルセロナで3日間、続いてバーレーンで6日間のテストが実施される。フランス人代表はこう説明する。「9日間もテストがある状況には、もはや慣れていない。過去4〜5シーズンは3日間だった。これはアドバンテージでもあるが、同時にまったく異なるプログラムでもある」「このようなシーズンで最初のターゲットは信頼性を確保することだ。10年、15年前のシーズンをよく覚えているだろうが、開幕戦ではリタイア率が非常に高かった。我々が2025年と比べて避けたいのは、シーズン序盤に中国GPでの失格によって混乱し、走行距離を失い、基準を失ったことだ。そうなると、それを取り戻そうとして長いプロセスに陥ってしまう」2026年に向けたテスト日程バルセロナでのテストは1月26日から30日に予定されており、各チームはこの期間のうち3日間を選んで走行する。バーレーンでの6日間と異なり、バルセロナでのテストは非公開で行われる。バスールは次のように述べた。「バルセロナでの最初の焦点は、マシンで走行距離を稼み、信頼性を理解し、どこを改善し、何に対応すべきかを把握することになる」57歳のバスールはさらに続ける。「バーレーンのテストで何かを理解したとしても、オーストラリアに向けて反応する時間はない。つまり、バルセロナでの最初のターゲットは純粋なパフォーマンスよりも走行距離だ」「私は本当に、2025年のバーレーン(同年唯一のテスト)の状況が、ほぼ2024年アブダビの最終戦の構図だったと思っている。来年は2022年のような、シーズンを通して非常に大きな開発率になるだろう」ハミルトンの2025年苦戦について2026年に向け、フェラーリはシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンのドライバーラインアップを維持する。ハミルトンにとっては、メルセデスから移籍して2年目のシーズンとなる。2025年、ハミルトンは予選で19回ルクレールに敗れ、キャリアで初めて一度も表彰台に立てないシーズンとなった。マラネロでESPNなどの取材に応じたバスールは、イギリス人ドライバーが直面した厳しい移行について、次のように語っている。「ルイスにとって難しかったと思う。“難しい”という言葉では足りないかもしれないが、それほどだった。彼は20年間、マクラーレン・メルセデス、そしてメルセデスで過ごしてきた。20年を過ごした環境からの変化は非常に大きかった」「正直に言えば、私はそのステップを過小評価していた。我々が良くなった、悪くなったという話ではなく、単にやり方が違うということだ。食事や天候の問題ではなく、すべてのソフトウェア、すべてのコンポーネントが異なり、周囲の人間も違う。すべてを完全に把握していなければ、コンマ数秒を失うことになる」「現在のフィールドでは、アブダビのQ2だったと思うが、5番手から15番手までが0.1秒に収まっていた。我々はすべての細部とパッケージを完全にコントロールできておらず、その結果、シーズンの流れを少し失ってしまった」2026年に向けた改善点来季に向けて何が必要かについて、バスールはこう締めくくった。「改善はあらゆる部分から来なければならない。チームのマインドセット、ドライバーのマインドセットも含め、すべてをより良くしていく必要がある。何か一部だけが良くて、他がダメという話ではない」「最終的には改善しなければならない。ルイスとのコラボレーションも改善する必要があるし、チームとしても改善が必要だ。彼自身も、今あるマシンから最大限を引き出す方法を改善する必要があるかもしれない」「コンマ3秒遅れているからといって、相手が魔法の弾丸を持っているとか、3分の1秒速いパーツを持っているわけではない」「多くの場合、10の項目でそれぞれコンマ03秒ずつ遅れている。それらを一つひとつ解決していかなければならない」「正直なところ、これはマインドセットと相互理解の問題でもある。ここではガレージの片側について話している。シャルルとは互いによく理解しているが、このケースでは、彼が何を必要とし、何を望んでいるのかを正確に理解することが重要だし、彼にとっても、私が何をしたいのかを理解することが重要なんだ」
全文を読む