ローレン・メキースが、フェラーリのF1チーム代表に就任したマッティア・ビノットの後任としてテクニカルディレクターに就任する可能性が報じられている。フェラーリ内の長い権力争いの末、マウリツィオ・アリバベーネはF1チーム代表を更迭され、これまでテクニカルディレクターを務めてきたマッティア・ビノットが新たにチーム代表に就任することが発表された。
フェラーリはプレスリリースのなかで「マッティア・ビノットが、即座にスクーデリア・フェラーリのチームプリンシパルを引き継ぎます。すべての技術部門は今後もマッティアの直属となります」と述べていた。この文面では、マッティア・ビノットが引き続き技術部門のリーダーを務めるとも受け止められる。しかし、元ベネントとルノーでチーム代表を務めたフラビオ・ブリアトーレは、マッティア・ビノットがチームプリンシパルとテクニカルディレクターを兼任することはないと考えている。「テクニカルディレクターとチームリーダーを兼任することは想像できない。誰が彼の後任としてテクニカルディレクターを務めることになるか見てみなければならない」とフラビオ・ブリアトーレは語っている。Auto Motor und Sport と La Gazzetta dello Sport は、マッティア・ビノットのチームプリンシパル就任は、かねてからセルジオ・マルキオンネによって考案された計画の一部だと推測している。当時フェラーリの会長を務めていたセルジオ・マルキオンネは昨年7月に急死。そのことがマウリツィオ・アリバベーネとマッティア・ビノットの権力争いを引き起こし、フェラーリのパフォーマンス低下に繋がったと考えられている。フラビオ・ブリアトーレは、セルジオ・マルキオンネの死がフェラーリが2018年のチャンピオンシップ敗北の決定打となったと考えている。「フェラーリはチャンピオンシップを勝ち取るために必要なものを持っていたが、それを成し遂げることができなかった」とフラビオ・ブリアトーレは Adnkronos.com にコメント。「勝てないときは状況を変えなければならない。マラネロでスクーデリアを管理する人々がそう考えていたのは想像できることだ」フラビオ・ブリアトーレは、マッティア・ビノットは、テクニカルディレクターとして“非常に速い”2018年F1マシンを生み出すために“素晴らしい仕事をした”としたと称賛している。同時に、マウッリツィオ・アリバベーネは、セバスチャン・ベッテルのタイトル獲得のチャンスを誤って管理したと非難した。「彼らはとにかくハミルトンにもっとプレッシャーをかけ、彼がミスを犯すように追い込む必要があった。しかし、実際、フェラーリはそのプレッシャーを生み出すことができなかかった」とフラビオ・ブリアトーレはコメント。元フェラーリのチーム代表チェーザレ・フィオリオもフラビオ・ブリアトーレの意見に同意。「アリバベーネは広告業界の人間であり、十分なレース経験がなかった」として過去にマールボロの広告責任者を務めていたマウリツィオ・アリバベーネの手腕を評価した。「ビノットはマルキンネの死後、リーダーのいないままだった。素晴らしい自身と豊富な経験を持ったマッティアの活躍を祈っている」La Gazzetta dello Sport と Bild は、ローレン・メキースがテクニカルディレクターを引き継ぐと予想している。元FIAのセーフティディレクター兼副レースディレクターのローレン・メキースのフェラーリ加入は、F1チーム間にある“紳士協定”を破ったとして物議を醸していた。
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