フェラーリは、2015年マシンに焦点をシフトし、残りのレースではF14 Tを使って2015年のためのコンポーネントを“トラックテスト”することになった。メルセデスが独走状態に入り、今年もフェラーリは失望を味わった。F1イタリアGPでは、コンストラクターズ選手権で4番手に後退し、残りも6戦となったことからチームは開発を2015年に傾けることにした。
フェラーリのエンジニアリングディレクターを務めるパット・フライは「シーズンのこの段階で、ファクトリーの焦点は、来年のマシンへとシフトしていっている」と述べた。「しかし、トラックテストからは学べることはまだかなり多くある。そのため、F14 Tに来年向けのテストコンポーネントと他の開発パーツを取り付けて、来年の理解に役立てていく」高速のモンツァではフェラーリの弱点が露呈されたが、今週F1が開催されるのは性質が大きく異なるシンガポールだ。「スパとモンツァのローダウンフォースサーキットでの2戦を終え、次に向かうシンガポールは正反対のスペクトルだ」とパット・フライは説明した。「非常に高いダウンフォースを必要とするストリートサーキットだ。モナコと特徴が似ており、タイヤはソフトとスーパーソフトを使う。高速コーナーはほとんどなく、縦横の加速度が加わるターンは2つしかない。そのため、直線加速と優れたトラクションが課題となる」「モンツァは我々にとってタフな週末だった。そのため、再編成してプッシュを続け、持っているパッケージからベストを引き出すことに集中している」「ナイトレースではあるが、気温は20度後半から30度前半と非常に高く、エンジンのクーリングシステムとERSの効率性が要求される。それに加え、ストップ・アンド・ゴーというレイアウトがブレーキシステムに高い負荷をかける。特にフロントブレーキにかかる衝撃は非常に大きい」