2022年のF1レギュレーション変更の一環として、ギアボックスの使用に新しい制限が導入される。2021年までギアボックスの制限は単純だった。各ドライバー/マシンは、同じギアボックスで6戦連続のグランプリ(予選/決勝)を完了した場合、チームはペナルティなしに新しいギアボックスをマシンに搭載することができた。
ギアボックスの6戦連続使用を満たせなかった場合、影響を受けたマシンには5グリッドの降格ペナルティが科せられた。例外として、ドライバーがレースからリタイアした場合、ペナルティなしで次のレースで新しいギアボックスを取り付けることができた。また、必要に応じて古い使用済みギアボックスに戻すことができ、“プラクティス用ギアボックス”として使用されることがあった。しかし、2022年のF1競技規則ではルールが調整された。パワーユニットと同様にギアボックスはコンポーネントが細分化され、それぞれに基数制限が科されれる。ギアボックスは、マシンに取り付けられたギアボックスケース、ギアチェンジやドライブラインのコンポーネントを収納するカセットに分離される。2022年のF1競技規則では、チャンピオンシップに参加するF1マシンは、3基の“ケーシング”と“カセット”の制限が適用される。すべてのドライバーはシーズン中に3基の“ギアボックス”のみの使用を許可され、シーズンを乗り切るために3基をプールから選択できる。これはF1パワーユニットのルールと同様にドライバーがシーズンの終了までにプール内のギアボックスが不足する可能性があることを意味する。ドライバーが3基のコンポーネントのルールを超えるギアボックスを必要とする場合、ドライバーは5グリッド降格ペナルティを科され、その後の新品のギアボックスの導入ごとに同じ5グリッド降格ペナルティが科される。ただし、ギアボックスカセット自体のコンポーネントには異なる制限が課される。“ギアボックスドライブライン”“ギアチェンジコンポーネント”“補助コンポーネント”には年間4基の使用が課され、これらのコンポーネントのいずれかをさらに必要とする場合、5グリッド降格ペナルティが科される。その後の変更に対しても同じペナルティが科される。F1ギアボックスも2025年まで“凍結”また、3月1日に開始されるF1エンジンの凍結と同様に、ギアボックスに仕様にも凍結が導入さえる。これは2025年まで有効となる。個々のギアボックスの設計(ケーシング、カセット、ドライブライン、ギアチェンジコンポーネント、補助コンポーネント)はすべて、F1パワーユニットと同時にホモロゲートされる。これらがFIAの技術部門によって承認されると、チーム/メーカーは2025年まで設計に凍結される。現在から2025シーズンまでの間に1回のアップグレードのみが許可され、そのアップグレードは個々のシーズン間でのみ許可される。マニュファクチャラーがカスタマーチームにギアボックスを供給する場合、チームはそれぞれ供給元が公認された同じ設計を使用する必要がある。F1パワーユニットと同様に、変更は安全性、信頼性に関連する問題を解決するためにのみ行うことができ、パフォーマンス上の利点はない。設計を変更する許可を得るために、マニュファクチャラーは、問題の要約、問題を修正するために行われた研究の証拠、および解決策がそれを修正すると信じる理由をFIAに書面で提出する必要がある。FIAは他のギアボックスメーカーと相談して修正の実行可能性を評価し、納得すれば修正を許可する。