F1は、2021年のレギュレーション変更の一部としてF1タイヤのサイズを13インチから18インチに拡大することを本格的に検討している。ピレリは数年前から18インチへの変更を推進しており、2014年にはシルバーストンでシャルル・ピックがロータスのF1マシンでコンセプトタイヤで走行を実施。2015年にはマーティン・ブランドルがGP2のテストカーで18インチタイヤを試している。
ピレリは、すでにWECとフォーミュラEで使用されている低扁平率タイヤが、現在の13インチ仕様よりも市販車テクロノロジーとの共通性があり、マーケティング目的により適していると考えている。Autosport はF1の内部関係者の「18インチに移行する可能性は高い」との証言を伝えている。FIAのレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングも、2021年に18インチのF1タイヤを採用すする可能性があることを認めている。「そうだと言える。パッケージの一部として議論している」とチャーリー・ホワイティングは語っている。18インチへの変更は、サスペンション設計に大きな影響を与えるため、開発コストが追加されるとして常に反対されてきた。しかし、今では意見は分かれており、2020年という早い段階で変更するべきと考えているチームもいるようだ、2021年に導入されるより大きなパッケージ変更を待つ方が論理的だと考えられている。現在、F1の公式タイヤサプライヤーとして独占供給を行っているピレリの契約は2019年に終了となり、18インチへの移行はライバルメーカーの入札の門戸を広げることになる。ミシュランは、かねてからF1へのタイヤ供給の条件として18インチへの拡大を上げていた。だが、新規参入メーカーには、2021年のサイズ変更を前に1年間13インチのタイヤを製造しなければならないという障壁がある。ピレリの最高経営責任者であるマルコ・トロンケッティ・プロヴェラは、同社は変更を実施する準備はできているとモナコで述べている。「我々はオープンだ。適切なレギュレーションを見つけ、チームがそれを適用する準備ができるようにしなければならない」「空力、サスペンションなど、多くの問題がある。チームが準備できれば、我々は準備はできる」「我々にとってそれは常にテクノロジーだ。13インチタイヤに満足しているし、18インチタイヤでも満足だ。大きければ大きいほど良いが、技術的なチャレンジは異なるものになる」ピレリにとって最優先課題となるのは、適切なテストプログラムを編成することにある。テストブログラムでは“ミュール”カーやサスペンションを改良したマシンが必要となる。「現時点ではまだ詳細を議論してない」とピレリーのカーレーシング責任者を務めるマリオ・イゾラはコメント。「タイヤレギュレーションだけでなく、全てのレギュレーションが出揃っていない。我々は適切な時間とテストができれば、彼らが何を求めても準備はできると言ってきた」「適切なプランを立てなければならない。過去に我々はタイヤを変更し、ワイド化させた。我々は常にF1の要求に従ってトライしている」「だが、テストをするには適切なクルマが必要になるだろう。タイヤがワイド化された2016年と同じような状況だ」
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