ハースF1に所属するエステバン・オコンは、同世代のF1ライバルたちが少なくとも一度は「勝てるマシン」に乗る機会を得てきたのに対し、自分にはそのチャンスが訪れていないという不満を語った。2025年にハースへ移籍したオコンは、それ以前の5年間をルノーおよびアルピーヌで過ごし、2021年のハンガリーGPでは波乱の展開の中で幸運な初優勝を果たしたものの、それ以外の3度の表彰台も含めて、常にミッドフィールドでの戦いを強いられてきた。
2016年にF1デビューを果たしたオコンは、マックス・フェルスタッペンやカルロス・サインツらと同じ“黄金世代”の一員だが、これまでのキャリアにおける立ち位置には大きな差がある。特にフェルスタッペンは、すでに4度の世界タイトルを獲得し、常に勝利を争うポジションにいる。RacingNews365の独占インタビューで、オコンはこう語った。「正直に言って、フラストレーションはある。同世代の他のドライバーたちは、誰もが一度は“勝てるマシン”に乗るチャンスを得てきた」「シーズンを通して勝てるマシンという意味ではないが、少なくとも予選Q3の常連で、トップ5が狙えるようなクルマには乗っていた。僕はおそらく、そういうマシンに一度も乗ったことがない唯一のドライバーだ」「でも、自分自身を常に問い直し、工場、シミュレーター、エンジニアと連携して努力し、トラック上でも結果を出す――そういう姿勢を貫いていれば、いつかそのチャンスは訪れると信じている」ハースF1チームは、今週末のF1カナダGPで、チームのF1通算200戦目を迎えるにあたり、2016年の初参戦時に使用していたカラーリングを復刻する。またオコンは、F1での成功が遅咲きだった元王者ジェンソン・バトンを引き合いに出し、自身の状況を重ねた。「他のドライバーたちもそうだった。ジェンソンはいい例だ。彼も最初はミッドフィールドを転々として、初優勝が2006年。チャンスを掴んだのは2009年のブラウンだけだった」「カルロス(・サインツ)もそうだ。若い頃は難しい時期もあったが、フェラーリでそのチャンスを得た」「僕だって、いつかは来ると信じている。そうでなければ、こんなに必死に努力していない」「ミッドフィールドで戦うのも意味はあるが、僕の本当の目標は勝利、ポールポジション、そしてチャンピオンシップを争うことだ。少なくとも一度はチャンピオン争いをしたいと思っている」「とはいえ、今の僕らはまだそこに到達していない。まずは、毎レースで確実にポイントを取ることに集中する必要がある」