2023年のF1世界選手権では、アルピーヌ、アルファロメオ、ハース、ウィリアムズの4つチームのシートが1つずつ空席となっているが、様々な裏事情がそれぞれのシートに絡んでいる。今週、2023年のF1シートに新たな動きがあった。9月22日(木)、アルファタウリF1は角田裕毅の2023年の残留を発表。翌23日(金)、ウィリアムズはニコラス・ラティフィが今シーズン限りでチームを離れることを発表した。
セバスチャン・ベッテルの今季限りでのF1引退とそれに伴うフェルナンド・アロンソのアストンマーティンF1移籍によって本格的に動き始めて椅子取り合戦。フェルナンド・アロンソが抜けたアルピーヌF1チームの空席に指名された育成ドライバーのオスカー・ピアストリはオファーを拒否。ダニエル・リカルドを1年早く解雇するマクラーレンでのF1デビューを選んだ。これで、コンストラクターズ4位を争うアルピーヌF1チームに空席ができることになった。第1のキーマンはニック・デフリース?アルピーヌF1チームは、エステバン・オコンのチームメイトとしてピエール・ガスリーの獲得を狙っている。だが、ガスリーはアルファタウリと2023年の契約をすでに締結しており、移籍するにはレッドブルとの契約を解除する必要がある。レッドブルは、ピエール・ガスリーの将来的なレッドブル・レーシングへの昇格を除外しており、彼の将来のためにアルピーヌF1チームに移籍させることにオープンだが、ガスリーの後任が見つかることを条件としている。ジュニアドライバーがインパクトにかけるレッドブルは、まずインディカーのコルトン・ハータを引っ張ってこようとしたが、FIA(国際自動車連盟)はF1スーパーライセンスを発給しないことを決定。その線は消滅した。だが、次の候補としてニック・デ・フリースが浮上した。すでにレッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコと交渉を行ったことが明らかになっている。2019年のF2チャンピオンであり、2021年のフォーミュラEチャンピオンであるニック・デ・フリースは、F1イタリアGPの金曜日までにウィリアムズ、メルセデス、アストンマーティンで金曜フリー走行に出走していたが、比較的地味な存在だった。しかし、アレクサンダー・アルボンが虫垂炎にかかったことで状況は一変。本来のリザーブドライバーであるジャック・エイトキンがWEC出場で不在だったこともあり、メルセデスF1のリザーブドライバーであるニック・デ・フリースに白羽の矢があった。土曜日のフリープラクティス40分前にウィリアムズでの出走が決定すると、ニック・デ・フリースは初の予選でQ2進出、決勝では9位入賞を果たして一気にその評価を上げた。その結果、レッドブル/アルファタウリだけでなく、アルピーヌF1チームも興味を示し、ハンガロリンクで旧型車でテストしている。上位チームが獲得の意思を示していることで、ウィリアムズのニコラス・ラティフィの後釜という線はその次まで後退している。したがって、アルファタウリがニック・デ・フリースとの契約を締結させ、ピエール・ガスリーがアルピーヌF1チームに移籍すれば、1つの空席が落ち着くことになる。それが実現しない場合、アルピーヌF1チームは、ニック・デ・フリース、アントニオ・ジョビナッツィ、ジャック・ドゥーハンというハンガロリンクでのテストに参加した3人のドライバーが候補となる。アルピーヌF1チームのニック・デ・フリースに決定すれば、残りのウィリアムズとハースが動き出す。ハースF1チーム、そして、フェラーリ・ドライバー・アカデミーは、ミック・シューマッハを放出する可能性が高いとされ、後任にはアントニオ・ジョビナッツィ、そして、現在アストンマーティンのリザーブドライバーを務めるニコ・ヒュルケンベルグが候補に挙げられている。一方、ウィリアムズは、F1スーパーライセンスを獲得できた場合にはF2ドライバーのローガン・サージェント、対抗馬としてミック・シューマッハの名前が挙げられている。アルピーヌとアルファタウリがニック・デ・フリースをスルーした場合には、当然、デ・フリースが有力候補となるだろう。アルファロメオだけが、上記とは関係しない状況で進んでいる。周冠宇が2年目のシーズンを迎えることは間違いないとも考えられているが、ザウバーF1チームの育成ドライバーであるテオ・プルシェールをF1デビューさせるという計画も昨年から囁かれている。アルファロメオF1チームとしての活動は2023年で終了し、2024年からはアウディがチームのコントロールを受け継ぐと考えられており、早ければ、今月末には新しいパートナーシップが発表されるとの報道もある。したがって、アウディの意見もアルファロメオのシートに影響を与える可能性がある。※アルファロメオF1、周冠宇の2023年のチーム残留を発表
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