キャデラックF1のリザーブドライバーを務めるコルトン・ハータは、2026年FIAフォーミュラ2選手権に向けた準備の第一歩として、今週アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われたHitech TGRとの初公式F2テストに参加した。テスト初日から2日間で、ハータは合計172周を走行。新しいマシンとシリーズに慣れることを主眼に置いた、多忙なプログラムを消化した。
水曜午前のセッションでは32周を走り、1分39秒792を記録してテストをスタート。午後に入るとさらに51周を重ね、ベストタイムを1分39秒416まで更新した。Hitechはこの段階で、マシンのハンドリング特性を理解し、ドライバーの順応を進めることに重点を置いていた。初日を振り返り、ハータはスピードよりも快適さを優先していることを強調している。「とにかくクルマに慣れることがすべてだった。正直に言えば、まだこのクルマに完全に快適だと感じている状態からはかなり遠い」と、25歳のハータはSpeedcafeに語った。「この3日間は本当に重要だし、ここでできることはすべて最大限に活かす必要がある。オフシーズンにこうしてクルマに乗れるのは楽しいし、次の2日間も楽しみにしている。」ペース向上とロングランへの移行木曜は引き続き走行距離を積み重ね、午前セッションで36周を走行。ベストタイムは1分38秒115まで縮まり、Hitech TGRのマシンに対する自信と順応が着実に進んでいることを示した。午後のセッションでは焦点がロングランと多燃料状態での走行に移り、タイヤの挙動やマシンバランスの変化を評価するプログラムが組まれた。ハータはこのセッションでさらに53周を走行し、1分42秒263を記録している。2日間合計172周という走行距離は、参加ドライバーの中でも最多クラスだった。ベストタイムは総合15番手で、MPモータースポーツのオリバー・ゲーテには約1秒及ばなかった一方、同日発表されたHitechの新チームメイト、宮田莉朋よりは0.4秒速いタイムとなった。F1リザーブ、IMSA、そしてF2という複数カテゴリーを並行して戦う中で、ハータはまず確実に土台作りを進めている。今回のテストは、結果以上に走行量と適応を重視した内容となり、2026年シーズン本番に向けた重要な準備段階となった。