シャルル・ルクレールが2025年F1カナダGPにおいて再びチームに対する不満を露わにし、フェラーリとの関係悪化が深刻な局面を迎えている可能性が浮上した。モントリオールでの週末前から、ルクレールがマラネロとの関係に見切りをつけつつあるとの噂が流れていたが、決勝レースの展開はその憶測を後押しするような内容となった。チームとの信頼関係が崩れつつある中で、ルクレールはまたしてもチームの判断に納得がいかず、無線で怒りを爆発させた。
戦略無視に激怒したルクレール問題が発生したのは30周目付近。ジョージ・ラッセルに抜かれた直後、ルクレールはダーティエアによるタイヤの劣化を懸念していたが、数周のうちに好タイムを記録し、無線で「タイヤはまだ大丈夫」と報告。事態は落ち着いたように見えた。しかし、31周目にチームは予定通りルクレールをピットインさせ、すでに好調だったハードタイヤを再びハードに交換。これにルクレールは激怒し、無線で「なぜピットに入ったんだ?」と詰問。レースエンジニアのブライアン・ボッツィが「プランBに切り替えた」と返答すると、「だから言ったじゃないか、タイヤは良好だって!」と強い口調で反論した。この一件は、今季に入ってから何度も見られるルクレールとチームの意思疎通の不一致を再び象徴するものとなった。マシンの競争力不足や戦略判断の迷走により、ルクレールの不満は蓄積されてきており、今回のカナダGPでの無線の怒声は、両者の信頼関係に決定的な亀裂が入ったことを示唆している。2026年以降の去就が注目される中で、今回の出来事はルクレールがフェラーリ残留を選ばない可能性をさらに高めたとも言えるだろう。果たしてこの関係は修復可能なのか、それとも別れの時が近づいているのか――。