ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は、F1オランダGPで受けたペナルティについて「完全なジョークだ」と痛烈に批判し、スチュワーディングの水準に疑問を投げかけた。サインツはザントフォールトで13位完走となったが、27周目のセーフティカーリスタート直後、レーシングブルズのリアム・ローソンとの接触により10秒加算ペナルティを科された。
サインツはターン1の外側を回ろうとした際、ヘアピンの立ち上がりで自身の右前タイヤとローソンの左後輪が接触。両者のマシンにダメージが生じた。「まず第一に、このインシデントについては明らかだと思う」とサインツは語った。「これまでにザントフォールトのターン1で、2台のマシンがサイド・バイ・サイドで走って接触しなかった例が何度もあったはずだ。あのコーナーは余計な接触なしに2台が競り合えるレイアウトなんだ」「でもリアムとは、どうしてもそれが難しいように思える。彼はいつも少し接触することを好むようで、僕らがそうしたようにDNFやパンクのリスクを冒すことを選ぶ。並走を受け入れるよりも、そうすることを選んでいるようだ」「もっと経験を積めば変わると思いたいが、彼は不要な動きでリスクを負いすぎている。僕らがやったように無駄な動きでポイントを失うことになる。だが、それに加えて僕が10秒ペナルティを受けるなんて、完全にジョークだと思う」「正直に言って、僕は今からスチュワードのところに行って説明を求めるつもりだ。彼らがこの件をどう見ているのか理解しなければならない。受け入れられない裁定だ」「もし本当に僕に10秒ペナルティを科すことが正当だと考えているなら、それはF1に必要なレベルのスチュワーディングではない。これは深刻な問題で、ドライバーとしてもGPDAのディレクターとしても懸念していることだ。必ずこの件を提起する」さらにサインツは、この動きはオーバーテイクを狙ったものですらなかったと強調した。「外側に少しスペースがあったから、『よし、ターン2、ターン3で彼を少し外させてポジションを崩そう』と思っただけなんだ。外側で彼を抜こうとしていたわけじゃない」とサインツは説明する。「ただサイド・バイ・サイドで走ろうとしただけなのに、突然接触が起きて僕は完全に虚を突かれた。驚いたよ」「バトルを選ぶ必要があるのに、F1初年度のリアムは“プレッシャーをかけるか、抜かせないか”というアプローチを選んでいるようだ。これは僕も覚えておく」「でも、これが今シーズンの僕の物語だ。アレックス(アルボン)がいたP5で終えられるはずのレースを、またも失った。理解できない理由で10ポイントが僕らの手から滑り落ちた」FIAはこの裁定について次のように説明している。「55号車(サインツ)の前車軸は、30号車(ローソン)の前車軸よりターン1の頂点で前に出ていなかった。55号車は30号車の外側に留まろうとし、接触が発生した。我々は30号車がコーナーの権利を持っていたと判断し、55号車が衝突の全責任または主たる責任を負うと結論づけた」この結果、デビュー年を戦うサインツは選手権17位に留まり、一方でチームメイトのアルボンは8位に位置している。アルボンもまたスチュワードの判断に異議を唱えた。「僕には明らかにリアムの責任に見えた」とアルボンは語った。「だからカルロスがペナルティを受けた理由が分からない。僕は誰よりもよく見えていたと思う」「コーナーの真ん中でリアムはステアリングを開いてカルロスを外に押し出したように見えた。カルロスにどこに行けっていうんだ?分からない。特にこういう裁定は、不確かならレース後に審議してもいいはずだ。でも、いずれにしても間違った判断だったと思う」