日本国内でも自動車メーカーが医薬品や人工呼吸器などの生産協力に乗り出すようだ。自動車メーカー各社は、海外の現地政府の要請に応じて人工呼吸器やマスクの生産協力を一部地域で始めている。国内でも事態の長期化に備え、政府の要請に応じる方向で検討する。
経済産業省は、日本自動車工業会(豊田章男会長)などの関係団体を通じて自動車メーカーにマスクや消毒液、防護服、ゴーグル、人工呼吸器といったコロナ対策品の生産協力を要請。原材料や部品の供給、3Dプリンターを含む生産設備の提供、医療機器メーカーへの製造支援など、各社ごとに協力可能な内容をとりまとめ、品目ごとにサプライチェーンを構築していく考えだ。海外では、フォード、ゼネラル・モーターズ、フィアット・クライスラー、アメリカの三大自動車、フォルクスーゲン・グループなどがすでに人工呼吸器などの増産を進めている。F1界も、英国を拠点とする7つのチームが“プロジェクト・ピットレーン”の名のものとに団結し、イギリスの新型コロナウイルス感染者の治療に必要な人工呼吸器などの製造を支援。メルセデスF1チームは、UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)と協力して、人工呼吸器を必要とせずに肺に酸素を供給するCPAP(持続陽圧呼吸療法)の大量生産の認可を得て量産体制に入っており、マクラーレンのエンジニアは、サウサンプトン大学と提携して、新型コロナウイルスの患者を治療するNHS医療スタッフ向けの保護具を開発している。日本は4月7日(火)にようやく緊急事態宣言が出されるなど、新型コロナウイルスへの対応が諸外国に対して遅れている。