2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンが、2025年シーズンをもってWEC(FIA世界耐久選手権)へのフル参戦を終了することを明かした。現在45歳のバトンは、キャデラック陣営でハイパーカークラスに参戦しており、先週末の「サンパウロ6時間レース」では自身最高位となる2位フィニッシュを飾ったばかりだったが、今後は家族との時間を優先する意向を示している。
多忙なスケジュールと家族との時間が決断の鍵に「人生があまりに忙しくなりすぎた。いろんなことが同時進行で進んでいて、スケジュールもとても過密だ」とバトンはMotorsport.comに語っている。「そろそろ将来のことをもっと考えなきゃいけないし、家族と過ごす時間をもっと持ちたいと思ってる。チームにとってもフェアじゃないと思う。来年以降はチームに十分な時間を割けそうにないから」引退ではなく、来年もレースには参戦予定ただし、今回の決断が完全な現役引退を意味するわけではない。バトンは次のようにも語っている。「来年も何かしらのレースには出るつもりだけど、フルシーズンではないよ」2023年にはNASCARカップシリーズに3戦限定で出場していたバトンだが、再挑戦の可能性について問われると「どうだろうね、様子を見てみよう」と具体的な言及は避けた。Jotaからキャデラックへ、WECでの軌跡バトンは2024年シーズンにJotaスポーツからポルシェ963 LMDhのカスタマーカーでWECにフル参戦。前年にはIMSA最終戦「プチ・ル・マン」で同車をテストしていた。そして2025年には、Jotaがキャデラックとのファクトリーパートナーシップを結んだことで引き続きチームに残留。今回のサンパウロでの表彰台により、トップカテゴリーでの活躍を改めて印象づけていた。なお、彼にとってはこれが2度目のスポーツカートップカテゴリー参戦となる。2018年にはSMPレーシングからBR1 LMP1車両で一部レースに参戦していた経歴がある。バトンはまた、レース活動の傍らでSky SportsのF1中継チームの一員としてグランプリ解説も担当しており、今後もモータースポーツ界に関わり続ける意向を持っている。