2021年のF1世界選手権 開幕戦 F1サクヒールGP 決勝でのタイヤ戦略を公式タイヤサプライヤーであるピレリが解説した。バーレーングランプリ決勝は、ポールポジションからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンによる緊迫した戦略的なタイヤバトルとなった。結果的には、より多くの周回を重ねたタイヤでリードを守ったハミルトンに軍配が上がった。
ルイス・ハミルトンは、マックス・フェルスタッペンよりも早くピットインしてリードを奪ったが、フェルスタッペンは、ファイナルスティントでハミルトンより11周新しいタイヤの利点を活かすことができた。両ドライバーは、異なる2ストップ戦略を使用した。メルセデスのバルテリ・ボッタスは、終盤に P Zero イエロー・ミディアムタイヤへ交換する 3 回目のピットストップを行い、ファステストラップポイントを獲得した。レッドブルでのデビュー戦となるセルジオ・ペレスも3ストップ戦略を使用し、ピットレーンからのスタートながら5位を獲得した。もう一人の3ストッパーは、アルファタウリのピエール・ガスリーだった。ガスリーは、序盤の接触によって1回目のピットストップを余儀なくされていた。土曜日までよりも冷涼な、突風を伴うコンディションとなり、気温は21℃、路面温度は25℃付近だった。エクストラ・フォーメーションラップの影響により、1周短縮されたアクション満載のレースで多様な戦略が展開された。トップ6で5種類の戦略が見られた。■各コンパウンドのパフォーマンス【ハード C2】バーレーンでの好成績に繋がる鍵の一つとなった。ハミルトンとフェルスタッペンは、ともに重要なファイナルスティントでハードを使用した。メルセデスとアルファタウリのみが、2セットの P Zero ホワイト・ハードタイヤを保有していた。ハミルトン、28 周のファイナルスティントを走行し、ハードの卓越した性能を維持してフィニッシュした。【ミディアム C3】トップ3グリッドを含む多くのドライバーがミディアムタイヤでスタートした。第2スティントでは、フェルスタッペンがミディアムを使用した一方、メルセデスはハードを使用した。フリー走行のデータが示す通り、ミディアムとハード間の性能差は、わずかながら縮まっていた。【ソフト C4】9名のドライバーが第1スティントで使用した。序盤のセーフティーカー導入や、オーバーヒートを抑制する冷涼なコンディションによって、ソフトタイヤのライフはわずかながら延長された。マリオ・イゾラ(ピレリ F1 およびカーレーシング責任者)「エキサイティングなレースでタイヤ戦略が中心的な役割を担いました。メルセデスのハミルトンは、レッドブルのフェルスタッペンよりも 2 回ともに早くピットストップを行いました。この戦略によって、フェルスタッペンよりも長いファイナルスティントの走行を余儀なくされたハミルトンは、見事にタイヤをマネージしました。フェルスタッペンが長い第 2 スティントをミディアムで走行するなど、レースを通して全 3 種類のコンパウンドは力強い性能を示しました。多様な戦略が見られ、5 名の完走者が 3 種類のコンパウンドを使用し、トップ 5 中の 2 名が 3 ストッパーでした。新たなレースフォーマットが導入された Formula 2 でもタイヤ戦略が強調され、全てのカテゴリを通して、バーレーンでの素晴らしいレース週末になったと思います」