2025年F1アゼルバイジャンGPの決勝が9月21日(日)に行われ、マックス・フェルスタッペンはアゼルバイジャンGPでスタートからゴールまで首位を譲らず、バクー市街地サーキットを完全支配した。全51周をリードし、2位のジョージ・ラッセル(メルセデス)に14秒以上の大差をつけて優勝。3位にはカルロス・サインツ(ウィリアムズ)が入り、チームにとって移籍後初の表彰台をもたらした。
キミ・アントネッリ(メルセデス)は僅差で表彰台を逃したが安定した走りを見せ、5位にはレーシングブルズのリアム・ローソンが入り、自身最高位を更新した。角田裕毅(レッドブル)はレース終盤に激しい追い上げを見せ、最終的に6位でフィニッシュ。これはレッドブル昇格後の自己最高成績となった。一方、ランド・ノリス(マクラーレン)は7位に終わり、チャンピオンシップ争いで首位のオスカー・ピアストリとの差を25ポイントに縮めた。ノリスは一時9位まで後退しながらも、最後は角田の背後でチェッカーを受けた。タイトル争いの先頭に立つピアストリは、スタートでジャンプスタートを犯し、アンチストール作動から最後尾に落ちた直後の5コーナーでクラッシュ。初周でリタイアする波乱の展開となった。ピアストリの脱落により、ノリスは31ポイント差を25に縮めることに成功した。フェラーリ勢はルイス・ハミルトンがシャルル・ルクレールを率いて厳しいレースをまとめた。10位にはレーシングブルズのアイザック・ハジャーが入り、ルーキーながら堅実な走りを見せた。キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレトが続き、オリー・ベアマン、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)が後に続いた。アルボンはフランコ・コラピントとの接触で10秒ペナルティを受けた。最後尾スタートとなったエステバン・オコン(ハース)は14位でゴール。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はジャンプスタートによるペナルティで15位に沈んだ。その後方にはニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、コラピント(アルピーヌ)が続き、唯一のリタイアはピアストリだった。フェルスタッペン連勝達成──マネジメント走行で完勝ハード→ミディアムの一貫したペース管理で危なげなく先頭維持。終盤は最速ラップで締め、6回目のグランドスラム達成で今季4勝目をモノにした。通算67勝目。ラッセル2位──ロングスティント戦略が的中ハードを引っ張ってピット後にサインツ前で復帰。メルセデスは“引っ張り→カバー”の王道で表彰台を確保した。サインツがウィリアムズに2021年以来の表彰台アントネッリの猛追を1.5~2秒差で抑え切り3位。28周の先手ピットと終盤の的確な守りが奏功した。スタート直後の悲劇──ピアストリがジャンプスタート→1周目クラッシュ消灯直後に手順乱れで最後尾、ターン5で接触なし単独ヒット。アロンソにもフライング判定が下る中、唯一のDNFとなった。“ローソン列車”の攻防──P5死守、角田裕毅P6、ノリスP7ローソン先頭に角田裕毅、ノリス、ハミルトンが連なる四つ巴。ターン1~4の攻め合いでもローソンはDRSなしで冷静にブロック。マクラーレンの痛手──ノリスのピットで4.1秒ロスフロント右の装着にもたつきタイムを失う。直後の追い上げも角田裕毅の堅守に阻まれ、P7どまりで6点加算。角田裕毅の“守り”──ライン管理でメルセデス勢を食い止める局面も中盤のDRSトレイン内でブレーキングと立ち上がりを丁寧にマネジメント。無線の煽りにも動じずP6を確実に手中に。アントネッリの成熟走り──4位堅持で表彰台圏を脅かす19周のアンダーカット狙いはローソンに凌がれたが、レース全体のペースは力強く、終盤もサインツにプレッシャーをかけ続けた。タイヤと空模様──“小雨の気配”は杞憂、勝敗はコンパウンド差と温存術風と路面変化は大きかったが路面は終盤にかけて落ち着く。ハード勢のロングとミディアム勢の温存・投入タイミングが勝敗を分けた。タイトル構図──ノリスが差を25に短縮ピアストリのゼロ点で流れは拮抗。ノリスは“最低限”の6点で差を25に縮め、決着の舞台は次戦シンガポールへ。2025年F1 アゼルバイジャンGP 決勝 順位・結果1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)2.ジョージ・ラッセル(メルセデス)3.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)4.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)5.リアム・ローソン(レーシングブルズ)6.角田裕毅(レッドブル)7.ランド・ノリス(マクラーレン)8.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)9.シャルル・ルクレール(フェラーリ)10.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)11.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)12.オリバー・ベアマン(ハース)13.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)14.エステバン・オコン(ハース)15.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)16.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)17.ランス・ストロール(アストンマーティン)18.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)19.フランコ・コラピント(アルピーヌ)DNF.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)