2025年F1アゼルバイジャンGP 週末2回目のプラクティスは、路面進化とタイヤ戦略が複雑に絡み合う展開となった。フェラーリがワンツーを記録し、メルセデスやハースの健闘が光る一方で、マクラーレンは壁との接触やトラブルに苦しみ、トップ争いから外れるかたちとなった。雨の可能性も示唆される中、各チームは日曜に向けてデータ収集を急いだ。ここではセッションの重要局面を振り返る。
セッション開始、静かな滑り出し午後のセッションは気温33度と高いコンディションでスタートしたものの、序盤は誰も積極的に飛び出さず、数分の静けさが広がった。やがてアルボンがハード、ハジャーとハミルトンがミディアム、その他はソフトとタイヤを分けて走行を開始。ピレリが持ち込んだC4〜C6という最軟ラインナップの挙動確認が進められた。序盤のトップ交代劇、路面進化でタイムが急上昇燃料を積んだ状態ながら、ヒュルケンベルグがまずトップに立つと、直後にラッセル、ハミルトン、ボルトレト、ルクレール、そしてノリスと、目まぐるしく順位が入れ替わった。路面のグリップ向上でタイムは一気に縮まり、上位勢はわずか数百分の差で競り合った。ウォールとの接触が続出セッション中盤、ストロールがリアを滑らせてウォールに接触しながらも走行を継続。ルクレールもリヤを軽く当ててデータチェックを要請。ノリスはより深刻で、左リヤを強くヒットしパンクを発生。無線で「タイヤが終わった」と報告しつつピットに戻ったが、損傷は大きくその後は走行できなかった。ピアストリもソフトでのアタック中にウォールに触れる場面があり、クリーンなラップを残せなかった。ハミルトンとルクレールの激しいトップ争い一時はルクレールが昨年のポールタイムに迫る1分41秒367をマークしたが、ハミルトンがさらに上回り1分41秒293を叩き出して首位に返り咲いた。両者の差はわずか0.074秒。メルセデス勢を含めても他を大きく突き放す形で、週末の本命を印象づけた。メルセデスの安定感、アントネッリが存在感ラッセルが3番手につける一方、アントネッリは0.009秒差の4番手と肉薄。FP1での課題を払拭し、堅実に周回を重ねた。10代のルーキーにとって、チームメイトに食らいつくこの走りは評価を高める内容となった。ベアマンがミディアムで健闘、ターン8でのオフもリカバリーハースのオリバー・ベアマンはミディアムタイヤで5番手に食い込み、存在感を示した。ターン8で2度にわたりランオフに逃げる場面があったが、冷静にリバースで復帰。安定したタイムを刻み、チームの期待に応えた。中団勢の僅差バトル、角田は14番手に後退ローソンが7番手、オコン8番手、アルボン9番手と中団勢が接戦を展開。サインツは11番手で僚友アルボンのすぐ後ろにつけた。対照的にレッドブルの角田裕毅は14番手と後方に沈み、マシンバランスに苦しんだ様子だった。ロングランと戦略模索、雨の可能性も残り15分を切ると各チームは燃料を積んでのロングランに移行。ミディアムの持ちとペースが注目され、決勝用データ収集が進められた。戦略の選択肢は多岐にわたり、さらに明日のFP3や予選で赤旗や雨が加われば、混乱は一層増す可能性がある。