2025年F1アゼルバイジャンGPは、シーズン最後の3分の1の始まりを告げるレースとなり、ヨーロッパからサーカスが移動する。バクーのサーキットは2015年にカレンダーに加わって以来、非常に興味深いレースの舞台となってきた。それ以来、セーフティカーやレース終盤の赤旗が結果を大きく左右したレースも少なくない。グラウンドエフェクト時代のレースはそこまで良いものではなかったが、昨シーズンのシャルル・ルクレールとオスカー・ピアストリの接近戦を除けば、記憶に残るものはあまりない。
それでもなお、ドライバーズチャンピオンシップは依然として争われており、我々はこのレースに臨むことになる。F1アゼルバイジャンGPから何を期待できるのか、見ていこう。■ 注目ストーリー1. チームオーダーの後遺症マクラーレンがドライバー同士の順位を入れ替えたことは、F1ファンの間で賛否両論を呼んだ。ドライバーやチームはこれを軽く受け流そうとしたが、「パンドラの箱を開けた」と言える要素があるのも事実だ。タイトル争いがF1アゼルバイジャンGPに持ち込まれる中、マクラーレンが再び介入する瞬間が訪れるのか注目される。2. フェルスタッペンはタイトル候補か?マックス・フェルスタッペンのモンツァでの勝利は、ローダウンフォース仕様のウイングだけでなく、新しいフロアによって得られたマシンへの自信の賜物でもあった。直近2レースでオスカー・ピアストリとの差を3ポイント縮めたが、94ポイントのギャップを残り8戦で埋めるのは現実的には厳しい。しかし、レッドブルがバクーで速ければ、フェルスタッペン陣営はまだ望みがあると考えるかもしれない。3. トト・ヴォルフ vs メルセデスのドライバーたちイタリアGP後のトト・ヴォルフのコメントはやや奇妙で、彼が両ドライバーを同時に批判したのはおそらく初めてのことだった。ジョージ・ラッセルはいつも通りマシンの力を引き出し、キミ・アントネッリは学習段階にあるにもかかわらずだ。加えて、契約延長がまだ正式に決まらず遅れている点も気がかりだ。表面上見える以上の問題がメルセデスには存在するのだろうか。F1アゼルバイジャンGPは、トト・ヴォルフが築いたチームの内部事情を垣間見せるかもしれない。■ フォームガイド好調なドライバーガブリエル・ボルトレトはザウバーで好調を維持しており、徐々にニコ・ヒュルケンベルグを圧倒しつつある。ドイツ人ドライバーは予選でマシンをうまく操れず苦戦している一方で、ブラジル人はチーム内で存在感を確立しつつある。これが続けば、今季最大の新星となる可能性がある。不調なドライバーフェルスタッペンのチームメイトが見劣りするというお決まりの展開が続いており、現在は角田裕毅がその立場にいる。同じニュースサイクルが繰り返され、メディアやチームが「このドライバーはレッドブルにふさわしいのか、それとも別の選択肢があるのか」と議論している。最も注目されるドライバーランド・ノリスはモンツァで奇妙なレースを終え、ピアストリとの差を少し縮めたものの、大きな成果は得られなかった。バクーを得意とするノリスは、再びピアストリに勝利し、勢いをつけたいと考えている。■ 2025年F1アゼルバイジャンGP 予想優勝者は誰か?今年のバクーでは昨年よりもソフト寄りのタイヤコンパウンドが用意されており、リアタイヤの扱いが重要になる。これはマクラーレンが他チームよりも優れている分野であり、チームが強さを発揮する可能性が高い。優勝争いは再びオスカー・ピアストリとランド・ノリスの接戦となりそうだが、ここではノリスを本命とする。昨年はピアストリが勝利したが、このサーキットではノリスの方が本来の速さを見せている。最大の驚き(ドライバー)注目すべきはシャルル・ルクレールだ。フェラーリのドライバーはバクーで驚きをもたらす可能性があり、過去4年連続でポールポジションを獲得している。彼を軽視するのはまだ早いかもしれない。最大の驚き(チーム)ウィリアムズはこのサーキットで好成績を収める可能性がある。トラクションゾーンがラップタイムの決め手となるが、同チームのマシンはこの領域で強みを持っている。最大の失望(ドライバー)バクーはルイス・ハミルトンが得意としていないサーキットの一つだ。過去にはニコ・ロズベルグやバルテリ・ボッタスを抑えるのに苦労しており、今回はチームメイトにシャルル・ルクレールがいる。2025年のアゼルバイジャンGPは、ハミルトンにとって厳しいものとなるかもしれない。最大の失望(チーム)バクーでの高揚感を経て、今回はレッドブルにとって厳しい展開となる可能性がある。ここはフェルスタッペンが得意とするサーキットではなく、モナコでは好調だったものの、ザントフォールトでは依然として扱いにくいマシンだった。その要素がバクーでも影響するかもしれない。
全文を読む