佐藤公哉が、AUTO GP第3戦ハンガリーのレース週末を振り返った。ハンガリーの首都ブダペスト郊外の牧歌的な丘陵地帯に広がるハンガロリンクでは、1986年よりF1ハンガリーGPが開催されている。佐藤公哉(ユーロ・ノヴァ)にとっては、開幕戦のイタリア・モンツァ、第2戦のモロッコ・マラケッシュに続いて、再び未知のサーキットでのレースとなった。
とはいえ、この第3戦では3日(金)に3時間という豊富なテスト走行枠が設けられており、十分に走り込んでハンデを跳ね返すつもりだった。しかし、セッション序盤の降雨やライバルの事故による赤旗中断で3時間を有効に使えたとは言えず、佐藤公哉のベストタイムは1分34秒721で6番手に留まった快晴に恵まれた4日(土)午前の練習走行(30分間)では、驚異的な速さを見せてトップタイムを記録したドライバーに約1.2秒離されての3番手タイムだったが、同日午後の練習走行(30分間)では6番手タイムながらもトップタイムのドライバーとの差を約0.2秒まで縮めて、予選でのポールポジション争いに期待をつなぎいだ。そして午後3時15分から実施された30分間の予選では、ポールシッターから0.6秒弱遅れたとはいえ翌5日(日)に実施されるレース1の3番グリッドを確保し、表彰台はもちろん優勝の可能性を残した。前日同様の好天に恵まれた5日(日)午前のレース1(19周)で佐藤公哉は、抜群のスタートダッシュで第1コーナーで首位へ浮上。しかし、ポールシッターのドライバーの速さは手をつけられないほどで、2周目の第1コーナーで首位の座を明け渡して2番手へ後退し、その後は徐々に引き離されてた。佐藤公哉は12周目にピットインを実施してタイヤ交換義務を消化、一方で首位を快走するドライバーは15周目にピットインしたもののタイヤ交換作業に手間取った。この間隙を突いて佐藤公哉は首位のドライバーに迫り、コース上での激しいバトルの末に抜き去って首位を奪還した。残り3周の間に佐藤公哉は激しい反撃を受けましたが僅差で逃げ切り、開幕戦レース2以来の今季2勝目を飾るとともに、開幕戦からの連続表彰台獲得記録を5へと伸ばした。5日(日)午後のレース2(19周)の佐藤公哉は、レース1で優勝したため競技規則で8番グリッドとなった。レース1のような素晴らしいスタートダッシュで上位進出を狙ったが叶わず、逆に9番手へ順位を下げて1周目を終えた。さらに佐藤公哉は、レース序盤から原因不明のバイブレーションとフロントウイングのガタつきという問題をクルマに抱えたためペースを上げられず6位入賞に終わり、連続表彰台獲得記録は残念ながら途切れた。それでも選手権2位のドライバーとのポイント差を4から5へと広げて、佐藤公哉は選手権首位の座を守った。佐藤公哉「レース1は幸運もありましたが優勝できました。首位に立ってからの残り3周は、後ろのドライバーの動きを常にミラーで見ながらのレースを強いられましたが、なんとか抑えきることができました。チェッカードフラッグを受けたときは、嬉しいというよりも助かったと思いました。レース中にチームから無線で言われていたことですが、タイヤ交換前後のラップでの猛プッシュが効きました。一方、レース2は我慢の戦いを強いられました。タイトル争いを考えるとノーポイントに終わることは避けたかったし、クルマにトラブルを抱えていたのであえて無理はしませんでした。次のイギリス・シルバーストンはAUTO GPの今季4戦目にして初めてレース経験があるだけでなく、僕自身が得意とするサーキットなので、3勝目4勝目が狙えると思います」
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