2026年F1シーズン開幕戦となるオーストラリアGPを前に、アルバート・パークのトラックマップが更新された。従来のDRSゾーンは完全に姿を消し、新たに「Straight Mode Zones」が5か所設けられた。アクティブエアロ時代の本格始動とともに、追い抜きの構図は大きく変わる。フロントウイングとリアウイングが可変作動するStraight Modeに加え、電力出力を最大限維持できる「Overtake Mode(OM)」も導入され、オーバーテイクは空力と電力の複合戦略へと移行する。
5つのStraight ModeゾーンとOM作動ポイント更新されたレイアウトによると、最初のStraight Modeゾーンはホームストレートに設置される。ここではOvertake Modeも併用可能となる。OMの検知および作動ポイントはターン13とターン14の間に設定され、追走車が1秒以内に接近した場合に使用可能となる。OMは時速290kmを超えると通常は低下する電力出力を、時速340kmまで最大350キロワットで維持できる。これにより、追走車はトップスピード面で明確な優位性を得ることになる。その後のStraight Modeゾーンは以下の区間に設置される。ターン2からターン3の短いストレート区間。ターン5からターン6の間の加速区間。レイクサイド・ドライブ沿い、ターン8からターン9にかけての高速左コーナー区間。ターン9とターン10のシケイン後、ターン11までの加速区間。アルバート・パークは2021年の改修以降、高速化が進んでおり、これらの区間での空力解放がレース展開を大きく左右する可能性がある。DRSとの決定的な違いDRSではコーナー立ち上がり後にリアウイングが開放される構造だったが、OMはターン14の手前から作動可能となる。これは従来よりも早い段階で電力アドバンテージを得られることを意味する。ただし、ドライバー間では見解が分かれている。フェラーリのシャルル・ルクレールは現時点での印象について次のように語った。「現時点ではオーバーテイクを決めるのは非常に難しいと感じている。ただ、こうした状況のマネジメント方法が分かってくれば改善するかもしれない」「しかし、オーバーテイクには常に代償が伴う。そしてその代償は以前よりもはるかに大きい。だからこそ、追い抜いた後に引き離すのはとても難しい。それが昨年との大きな違いだと思う。難しい」エネルギー管理時代の幕開け2026年レギュレーションでは、パワーユニット出力の50%を電動系が担う。単純な空力開放だけではなく、どの区間で電力を温存し、どこで放出するかが勝負を分ける。アルバート・パークはブレーキング区間が比較的少なく、回生効率の面でも難易度が高いコースだ。OMとStraight Modeの組み合わせは、単なる“追い抜きボタン”ではなく、レース全体を通じたエネルギー戦略の一部となる。2026年F1開幕戦オーストラリアGPは3月6日から8日に開催される。新時代のオーバーテイクは、ファンにどのようなレース体験をもたらすのか。その答えが、いよいよ示される。
全文を読む