アウディは、元F1ドライバーのアラン・マクニッシュをレーシングディレクターに任命し、2026年F1マイアミGPからトラックサイドの統括業務を担わせると発表した。チームは今季からザウバーを母体にワークス参戦しており、体制強化の一環として現場指揮系統の再編に踏み切った。今回の人事は、チーム代表を務めていたジョナサン・ウィートリーの離脱を受けたもので、CEO兼チーム代表のマッティア・ビノットが暫定的に担っていた役割を整理する狙いがある。
今後はビノットの下で、マクニッシュがトラックサイドの実務を統括する体制へと移行する。内部昇格で現場体制を再構築アウディは上級マネジメント構造の見直しを進めており、今回の人事では外部招聘ではなく内部昇格を選択した。マクニッシュは新設されたレーシングディレクターとして、CEO兼チーム代表マッティア・ビノットに直接レポートする。同氏は2002年にトヨタからF1に参戦し17戦に出走。その後は長年にわたりアウディのモータースポーツ活動に関与してきた。近年はアウディ・グループ・モータースポーツのコーディネーションディレクターやフォーミュラEチーム代表を務め、直近ではドライバー育成プログラムの責任者も兼任している。レーシングディレクターとしては、スポーティング面、エンジニアリング調整、ドライバーマネジメント、戦略、ガレージ運営に加え、トラック上でのメディア対応やパートナー活動まで幅広く統括する。ビノット「チーム構築の重要な一歩」ビノットは今回の任命について次のように説明した。「アランはレース経験、技術理解、リーダーシップを兼ね備えている。我々のモータースポーツ体制の中心的存在であり、F1プロジェクトの立ち上げ段階から重要な役割を果たしてきた」「今回の任命は、我々のプロジェクトにとって重要な段階でトラックサイド体制を強化するものだ。スポーティング運営からドライバー育成まで、パフォーマンスに関わるあらゆる領域を結びつける能力は、今後のチーム構築に不可欠となる」マクニッシュ「歴史的転換点での挑戦」マクニッシュも新たな役割への意欲を語った。「アウディF1チームのレーシングディレクターという役割を担うのは大きな名誉だ。このブランドは自分にとって特別な存在であり、モータースポーツの最高峰であるF1で代表できることを誇りに思う」「これはアウディとF1の歴史における重要な転換点であり、トラックサイドのパフォーマンスにより直接的に貢献できることを楽しみにしている」「我々のプロジェクトは非常に野心的であり、レース運営のすべての要素が最高の競争力を発揮し、継続的に改善されるよう取り組む」「ドライバー育成プログラムにも引き続き関与しながら、成功に向けた基盤を構築していくことに集中する」ビノット体制の明確化と2030年目標今回の再編により、ビノットは車体開発拠点ヒンウィルとパワーユニット開発拠点ノイブルクの両面に集中できる体制が整う。従来はウィートリーと共同でプロジェクトを運営していたが、より伝統的な指揮系統へと移行した形だ。マクニッシュは長年アウディに深く関わり、チーム内外からの信頼も厚い人物であることから、今回の配置はスムーズな移行が見込まれている。トラックサイドの統括を担うことで、現場と開発部門の連携を強化し、アウディは2030年までにタイトル争いに加わるという目標に向けて体制を固めていく。
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