マティア・ビノットは、アウディの新しいF1責任者として、今後の課題について語った。現在のザウバーF1チームの運営をレース優勝者とタイトル候補に変えるという計画を、エベレスト登頂に例えた。ドイツの自動車メーカーであるアウディは、今年初めにザウバーの全株式を取得し、2026年シーズンから自社のF1ワークスチームとして、自社開発の新型パワーユニットを搭載して参戦する。
7月、プロジェクトの再編が発表され、フェラーリの前チーム代表であるビノットが最高執行責任者(COO)兼最高技術責任者(CTO)として加わることが明らかになった。退任したCEOのアンドレアス・ザイドルとアウディの幹部であるオリバー・ホフマンに代わる人事である。8月1日に正式に業務を開始したビノットは、スイス・ヒンヴィルのザウバー工場やドイツ・ノイブルクのアウディ施設で時間を過ごし、またコースサイドにも姿を見せているが、その任務の大きさを認識している。「それは大きな山に登るというだけでなく、エベレストに登るようなものだ」とビノットはBBCスポーツに語った。「数年はかかるだろう。我々の目標は、10年後までにチャンピオンシップを争えるようになることだ」元フェラーリ代表のマッティア・ビノットは7月にアウディの新しいF1責任者に就任すると発表された。マッティア・ビノットは2019年までフェラーリのチーム代表を務めた。3年間の在任期間を経て、1990年代半ばからスクーデリア・フェラーリに所属し、徐々に地位を上げていった。その点を念頭に置き、ビノットは次のように続けた。「ここに来て詳細を調べ始めると、見れば見るほど、自分がどこにいるのか、そしてフェラーリ時代に知っていたこととの主な違いが何なのかがわかってくる」「確かにギャップや違いは多く、ギャップは大きい。規模、人数、考え方、ツール、施設など、あらゆる面で大きな違いがある。どこを見ても、小さなチームとトップチームを比較しているようなものだ」ザウバーは2024年にF1の最下位に転落し、6戦を残して未だにポイントを獲得できていない唯一のチームであり、ビノットは背景で進行している移行が役割を果たしていると考えている。「アウディが株式の一部を取得し、将来的に完全なオーナーとなる計画があったとき、社内ではいくつかの計画が立てられ、戦略的な計画が議論され、策定されたが、まだ実行には至っていなかった。そのため、ザウバーはしばらく宙ぶらりんの状態が続いていた」「2つ目に、確かに2026年に向けた取り組みやエネルギーの一部は、アウディが2026年に参戦できる状態にあることを確認するために費やされた。そして、2024年と2025年の通常の開発計画に費やすエネルギーがいくらか削がれた」反対の憶測が飛び交う中、ビノットはアウディがF1に参戦したのは「ここに留まるため」であり、「勝つまで、そして勝った後も」そうするつもりだと強調し、これをスポーツへの「長期的なコミットメント」と表現した。「我々は勝利チームとなり、基準を打ち立て、そしてそこに留まり続けるつもりだ。」とビノットは述べた。「参加して去っていくようなものではない。F1はモータースポーツの頂点であり、ついにアウディがその一員となることは素晴らしい。そして、彼らはそこに留まり続けることをただひたむきに目指している」