アストンマーティンとホンダが開発を進める2026年型マシン「AMR26」の改良版、いわゆる“Bスペック”の投入計画に遅れが生じている可能性が浮上した。当初はチームの本拠地シルバーストンで開催されるイギリスGPでの投入が見込まれていたが、現実的には後ろ倒しとなる見方が強まっている。開幕から苦戦が続くなかで、チームの巻き返しを担うはずだったアップデート計画にもズレが生じている形だ。単なるスケジュール変更にとどまらず、開発全体が想定通り進んでいない可能性を示唆している。
Bスペック投入はスパへ後ろ倒しの見通しスカイスポーツF1のデビッド・クロフトは、チームが準備を進めている“AMR26 B”について、投入時期の変更に言及した。「私はシルバーストンでAMR26 Bが投入されると言っていたが、おそらくスパになるだろう」当初の計画から約2週間の遅れとなる可能性があり、開発の進行が予定通りではない実態が浮かび上がる。「これは長期的なプロジェクトであり、見落とされていた問題を修正する必要がある。プロジェクト全体で少し油断があったと思う」クロフトはそう述べ、問題が一時的なものではなく、構造的な課題に起因している可能性を示した。遅延の背景にあるPUと車体の統合問題開発の遅れの背景には、パワーユニットとシャシーの統合に関する深刻な課題があるとみられる。現状のAMR26は振動問題を抱えており、パワーユニットの特性に車体側が十分に対応できていない。さらに重量過多や中高速コーナーでのパフォーマンス不足も重なり、単純なアップデートでは解決が難しい状態にある。こうした複合的な問題が、Bスペックの開発進行そのものにも影響を与えていると考えられる。ブランドルが示す“遅れの深刻さ”この状況について、元F1ドライバーでスカイスポーツF1のマーティン・ブランドルも厳しい見方を示している。「それは本当に痛々しい。まるで傷口に塩を塗るようなものだ」「ホンダに適切な人材を配置し、正しい方向性を与える必要がある。状況は2027年まで改善しないだろう」「もちろん、ある程度の改善はあるだろう。しかし時には1周あたり3〜4秒遅れている。つまり、トップとはまったく別のカテゴリーにいるということだ」ブランドルの指摘は、単なるパフォーマンス不足にとどまらず、開発全体の遅れが長期化する可能性を示唆している。Bスペック投入でも即時解決は困難か仮に“Bスペック”が投入されたとしても、問題が即座に解決する保証はない。クロフトは、パワーユニット自体の完成度にも時間が必要であると指摘している。「このパワーユニットは多くの作業と調整が必要であり、おそらくクリスマス休暇後に改良されて戻ってくるだろう」さらに、現実的な戦力評価として次のように語る。「ポイントを獲得できるか? 現時点では難しい。他に12台がリタイアしない限りは無理だろう」開発の遅延、構造的な技術課題、そして戦力不足。これらが重なる現状において、アストンマーティンの2026年シーズンは依然として厳しい戦いが続く見通しだ。