アストンマーティンは2026年F1シーズンの開幕戦オーストラリアGPで厳しいスタートを強いられた。マシンのパフォーマンスそのものは最下位レベルではなかったが、信頼性問題が大きく響き、チーム全体として苦しい週末となった。そうした状況の中で、チーム内部の緊張関係が徐々に表面化しつつある。とりわけ注目されているのが、エイドリアン・ニューウェイとランス・ストロールを巡る評価だ。
ニューウェイはストロールを高く評価していないとの報道英紙デイリー・メールの報道によると、シルバーストンを拠点とするチーム内部では、ニューウェイがランス・ストロールを高く評価していないことは“よく知られている”という。ただし、その本音を公の場で語ることはできない状況にあるとされる。理由は言うまでもなく、チームオーナーであるローレンス・ストロールの存在だ。報道では、ニューウェイがストロールについて本音を「言う勇気はない」とも伝えられており、父親であるローレンス・ストロールの機嫌を損ねることを避けているとされている。ローレンス・ストロールが築いたF1キャリアランス・ストロールのキャリアは、父ローレンス・ストロールの強力な支援によって築かれてきたことで知られている。ストロールがフォーミュラ4に進むタイミングでは、単に資金を提供するだけでなく、ローレンス・ストロールは欧州屈指のジュニアチームであるプレマ・レーシングを買収した。その後、2016年にFIAフォーミュラ3選手権を制したストロールは、ウィリアムズからF1デビューを果たす。さらに2018年にはローレンス・ストロールがフォース・インディアを買収し、チームは翌年レーシングポイントへ改称。ストロールはチームのドライバーとして加入し、チームは2021年からアストンマーティンとして参戦している。2027年アストンマーティンF1ラインナップの行方2026年の新レギュレーション導入により、数戦が終われば勢力図が明確になり、F1ドライバー市場は一気に動き出すと見られている。今季終了時点で契約満了となるドライバーはグリッドの半数以上に及ぶ可能性があり、大規模な移籍が起こる余地がある。ただし、アストンマーティンにとって状況は簡単ではない。マックス・フェルスタッペンやシャルル・ルクレールといったトップドライバーは、すでに同チームへの関心を否定しているとされる。また、開幕戦メルボルンの状況を見る限り、フェルナンド・アロンソが2027年まで残留する可能性も不透明だ。もしマシンが中団争いにとどまるようであれば、44歳のアロンソにとって魅力的な選択肢とは言えない。一方で、ランス・ストロールについては事情が異なる。契約期間は公表されていないものの、チームオーナーの息子であることを考えると、2027年もアストンマーティンに残る可能性が高いと見られている。しかしチームの競争力が回復しない限り、有力ドライバーを引き寄せることは難しく、アストンマーティンの将来のドライバーラインナップは依然として不透明なままだ。