2026年F1シーズンを前に、アストンマーティンの苦境が浮き彫りとなっている。バーレーンで行われたプレシーズンテストでは、新型ホンダ製パワーユニットに複数の問題が発生し、チームは十分な走行距離を確保できなかった。その背景に、かつてレッドブルを率いたクリスチャン・ホーナーの“抜け目ない決断”があった可能性が指摘されている。
元F1ドライバーのイバン・カペリは伊ガゼッタ紙のインタビューで、ホーナーがレッドブル時代の晩年に行った人材戦略について言及した。「この功績はクリスチャン・ホーナーにある」とカペリは語った。「彼はここ数年、ホンダのエンジニアたちをレッドブル・パワートレインズのプロジェクトにとどまるよう説得し、同時にメルセデスからも重要な人材を確保した」「つまり、エンジンは新しいが、それを運営しているのは非常に有能な人々だ」ホーナーは2025年7月に20年務めたレッドブル代表の座を追われた後、アストンマーティンのチーム代表就任が噂された。しかしそのポストに就いたのは、かつての同僚エイドリアン・ニューウェイだった。そのニューウェイは、今週のバーレーンテストで厳しい表情を浮かべていた。アストンマーティンは新型ホンダ製パワーユニットに起因する複数のトラブルに見舞われ、最終日にはランス・ストロールが計測タイムなしの6周しか走れない状況に陥った。ストロールは、グリッド最上位勢から最大で4秒遅れていると認めており、ホンダ側も信頼性とパフォーマンスの両面で満足していないと述べている。一方、レッドブル・パワートレインズのディレクターであるベン・ホジキンソンは、オートスポーツ誌に対し、新たなパワーユニット体制の立ち上げについて次のように語っている。「我々は短期間で700人規模の組織を築くところから始めた」報道によれば、その約700人はレッドブル内部の人材に加え、メルセデス・パワートレインズから移籍したスタッフ、そしてかつてレッドブルとホンダのパートナーシップに関わっていたホンダの人員も含まれている。ホンダが2021年に突如F1活動終了を発表した際、ホーナーはレッドブル・パワートレインズ構想を急速に具体化させ、ホンダのエンジニアに対して「レッドブルの名の下で残る」という道を提示した。2026年のアストンマーティンとホンダの苦戦を、この一手だけに帰することはできない。しかし、ホンダとの提携が2025年末で終わると理解した段階で、レッドブルが迅速に組織体制を整えたことは事実だ。その差が、2026年開幕を前にした両者の明暗を分けている可能性は否定できない。
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