アストンマーティンF1チームのパフォーマンス・ディレクターであるトム・マッカローは、王者レッドブルが持つDRSのアドバンテージをF1チームが食い止めるのは「挑戦」だと認める。RB18に比べ、レッドブルは2023年マシンを軽量化することができ、すでにロードラッグ設計となっていたRB19のDRSの有効性が、シーズン序盤におけるチームの明らかな直進力向上に貢献した。
レッドブルはこの年、22戦中21勝を挙げ、ライバルたちは独走するチャンピオンに対抗する術を見つけることができなかった。アストンマーティンのマッカローは、レッドブルのトップエンドのパフォーマンスについて「昨年、レッドブルが非常に強かったことに気づいていたし、彼らはそれを前進させたような感じだった」と語る。「昨年のジェッダは、みんなが『ワオ、これはかなり大きなDRSスイッチだ』と思った初めての経験だったのを覚えている」「ディフューザー、ビームウイング、リアウイング、メインプレーン、フラップ、ブレーキダクト、これらすべての相互作用は、以前の世代のクルマとは明らかにまったく違う」「安定した空力プラットフォームを手に入れることで、ポーポシングやその他、私たちが望まないものすべてを回避し、多くの荷重を得るが、DRSを開いたときに、できるだけ大きなリーチが得られるようにすることが狙いだ」「もともと特に強力なものを持っていたわけではなく、安定性を維持しながら、DRSを強化するために体系的に開発を進めていた」マッカローは、レッドブルに対するDRSの差を埋めるのは、マシン後部のアップデートがもたらす波及効果のため、簡単ではないと認めた。「マシンの後部にある要素はすべて連動している」とマッカローは続けた。「レギュレーションの範囲内でできることは限られている。常にダウンフォースを生成し、ドラッグが多すぎないようにする必要がある」「そのうえで、DRSのスイッチを入れ、それらすべてをうまく機能させることは、空力チームにとって挑戦なんだ。そのため、我々だけでなく、他のチームもこの分野で多くの開発を行っている」2024年のキャンペーンに向けて、アストンマーティンは先月のアブダビ・シーズンフィナーレでAMR23に新しいリアウイングを導入した。ワイドスパンのビームウイング、エンドプレートの変更、アッパーリアウイングアッセンブリーの修正など、3つの変更がリアウイングアッセンブリーに加えられ、アストンマーティンはそれがすでに有望な結果を示していると信じている。「我々にとっては、今年の終わりにマシンに搭載することが重要だった」とマッカローは語った。「風洞とCFDで見たことを相関させ、いくつかのクロスカー、クロスセッションの比較を行ったが、ウイングは良いパフォーマンスを見せている」