アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は2026年F1中国GP予選でポールポジションを獲得し、F1史上最年少のグランプリ・ポールシッターとなった。チームメイトのジョージ・ラッセルに0.222秒差をつけ、中国GPで歴史的な1周を決めた。19歳のイタリア人ルーキーは、その快挙を喜びながらも、まだ自分には改善すべき点が多く残っていると冷静に受け止めている。予選での一発のまとめ方や、各セッションでのリスクとリターンの見極めについて、今も学習の途中にあると明かした。
アントネッリ「まだリスクとリターンの比率を学んでいる」アントネッリは、ラッセルにトラブルが起きたことは把握していたものの、自身は集中を切らさず最後まで走り切ることだけを考えていたと振り返った。「彼にトラブルが起きたのは見えていた。でも僕は集中を保って、落ち着いて、いいラップをまとめることだけを考えていた。そして最終的に、それができた」とアントネッリは語った。「すごくうれしい。結局のところ、まだ始まりにすぎないし、これからもっといろいろなことが待っている」「明日が本当に楽しみだ。マシンの感触はとてもいいし、クルマも強い。明日はやれることがたくさんある。でも今日は本当にうれしい」その一方で、アントネッリは予選で常にベストを引き出すという点では、まだ完成されていないとも認めた。特に結果が直接重要ではないセッションで、どこまで攻めるべきかの判断が今の課題だという。「簡単ではない。メルボルンでは大きなクラッシュがあって、それが予選とレースに向けて少し後れを取る形になってしまったのは残念だった」「でも難しいんだ。これだけ速いクルマがあって、すごいチャンスがあると、その機会を逃したくないと思う。だから攻めにいってしまう」「僕の場合、まだリスクとリターンの比率をどう改善するかを学んでいるところだ。特に、たとえばFP3のように結果そのものがあまり重要ではないセッションではね。勢いを維持するためにも、正しいバランスを見つけることが大事なんだ」「それに、どんな状況でも物事をひとつにまとめることが大事だと思っている。予選でも、Q1からQ3までクリーンに進めることが必要だ」「今はまだ、それをどう実現すればいいのか自分なりのやり方を探しているところだ。現時点では、Q1とQ2はうまくいっても、Q3が十分ではないと感じることがある。そこにはまだ改善が必要だ」トト・ヴォルフは“若すぎる”批判に反論メルセデス代表のトト・ヴォルフは、2025年にルイス・ハミルトンの後任としてアントネッリを抜てきした当時、年齢を理由に懐疑的な見方があったことを改めて振り返った。そして今回のポールポジションが、その判断の正しさを示したと強調した。「多くの人が、この子は若すぎる、メルセデスに乗せるには若すぎる、もっと別の形で準備させるべきだったと言っていた。でも今日、この子はやってのけた」とヴォルフは語った。「キミがポールを獲ったことは本当にうれしい。でもジョージの側のように、キットがドライバーを裏切ってしまったら……本当なら2人が真っ向から戦うところを見たかったし、彼らに何ができるのかを見たかった。だからジョージがあのラップを走れなかったのは残念だ」ヴォルフはラッセルのマシンに起きた問題について、電気系統の不具合の可能性を示した。予選Q3ではコース上で一時停止する場面もあったが、電源の再投入を繰り返したことで復旧したという。「電気系統のように見える。我々はクルマの電源を3回入れ直さなければならなかった。基本的にはiPhoneみたいなものだ。電源を入れて、切って、また入れる。そして3回目で動いた」「もうコースには出られないと思っていた。でも驚いたことに、最終的にはラップを走ることができた」アントネッリにとって今回のポールポジションは、速さだけでなく、プレッシャーのかかる場面でも冷静さを保てることを示した1日だった。ただ本人の視線はすでに次に向いている。歴史を塗り替えた直後でも、課題を自覚し、さらに完成度を高めようとしているところに、メルセデスが将来を託した理由が表れている。
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