メルセデスF1のルーキー、キミ・アントネッリは、F1エミリア・ロマーニャGP初日のフリー走行で苦戦を強いられた。母国イタリアでのF1デビューという特別な週末ながら、シングルラップでのパフォーマンスが伸びず、FP1は13番手、FP2では18番手に終わった。アントネッリは、ソフトタイヤ(C6コンパウンド)でのアタック中に複数のミスを犯したと認めており、路面のグリップ不足がタイヤの発動を妨げたと振り返る。一方で、ロングランではマシンのバランスに手応えがあり、予選・決勝に向けて必要な作業は明確だと語った。
「今日はシングルラップをうまくまとめるのが難しかった。自分のミスもあったし、低グリップのコンディションではC6コンパウンドを機能させるのが簡単じゃなかった。でもロングランではクルマのバランスがよくて、その点ではポジティブな感触を得られた。今日の2セッションを終えて、明日と日曜に向けて何をすべきかが分かったよ」とアントネッリはコメント。「イモラでのレースは本当に特別な意味がある。FP1の最初のラップでグランドスタンドやフェンス沿いのたくさんのファンが目に入って、すごく感動した。応援がエネルギーになったし、ヘルメットのバイザーを下ろせば気持ちが切り替わる。現地に来てくれた皆さん、本当にありがとう。明日以降も全力を尽くすよ」と続けた。一方、チームメイトのジョージ・ラッセルは好調を維持。FP1・FP2ともに4番手を記録し、マクラーレン勢に次ぐ存在として上位争いに加わっている。「イモラを走れるのは素晴らしい気分だよ。このサーキットは僕のお気に入りのひとつだし、ドライバー全員が走るのを楽しみにしているコースのひとつでもある。低速・中速・高速がミックスされた構成で、幅も狭くてミスが許されない。だからこそ、最高のラップを出すには集中力が求められる」とラッセルは語った。「今日の2セッションはどちらも接戦だったし、意外なチームも速さを見せていた。マクラーレンが先頭で基準を作っていたのは予想どおりで、明日の予選でも彼らが最有力だろう。僕たちはそこに食い込むのが目標。今夜の作業で改善点を見つけて、トップとの差を少しでも縮めて、いい土曜にしたい」と意欲を見せた。メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショヴリンも、今回のアップデートに手応えを感じつつ、アントネッリの今後に期待を寄せている。「今週末は今季初めての大きな空力アップデートを持ち込んでいるが、それが期待どおりに機能しているのは心強い。これによって、週末のパフォーマンスを築いていくためのしっかりとした土台ができた。また、今季初めてC6コンパウンドを使用しているため、通常とは異なるプログラムになっている」とショヴリンは説明した。「FP1では、他の多くのチームと同様に、ソフトタイヤを2セット使って単独走行に注力した。ジョージはいつもどおりの堅実な走りで、金曜としては想定どおりの位置にいる。一方でキミには、シングルラップでのパフォーマンスにもう少し伸びしろがあるが、今季の彼は毎回、夜の分析で着実に修正してきた。今回も明日はもっと前進できると思っている」と評価を加えた。「彼のロングランは非常に良好で、C6の扱いが難しい中でも安定していた。これは日曜のレースに向けて明るい材料だ。今日のようにフィールドが拮抗している状況では、100分の1秒の差が大きな違いになる。今夜の作業でそこを突き詰めて、明日の最終プラクティスに臨みたい」と締めくくった。
全文を読む