アメリカ・オースティンで行われたスプリント予選は、強い日差しと風に包まれる中、波乱の展開となった。気温33度、路面温度44度という過酷なコンディションのもと、各チームはタイヤの使い方とアタックタイミングの見極めに苦戦。タイトルを争うマックス・フェルスタッペン、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリの3人が、再び最前列で激突することとなった。
最終的にフェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が圧巻の最終セクターで逆転し、昨年に続くスプリントポールを獲得。ノリスが0.071秒差の2番手、ピアストリが3番手に続いた。角田裕毅(レッドブル・レーシング)はトラフィックの影響でQ1敗退と悔しい結果に終わった一方、ヒュルケンベルグ(ザウバー)が中団勢トップの4番手を獲得するなど、波乱含みのセッションとなった。SQ1:トラフィックの罠、角田裕毅まさかの脱落セッション開始直後、ハジャー(レーシングブルズ)が先頭でコースイン。各車が慎重に温度を上げながらタイムアタックに入るが、終盤はピット出口で大渋滞が発生。多くのドライバーが計測ラインに間に合わず、混乱のうちにチェッカーを迎えた。角田裕毅(レッドブル)は最終アタック中に前方のトラフィックに阻まれ、1分35秒259で18番手。チームメイトのフェルスタッペンがトップに立つ一方、角田は悔しいQ1敗退。ベアマン、コラピント、オコン、ボルトレトも同様に脱落した。SQ2:フェラーリ冷や汗、ルクレールがギリギリ突破ミディアムタイヤでのアタックが展開される中、フェルスタッペンは1分33秒163を叩き出して首位を堅持。メルセデスのアントネッリはわずか0.006秒差で敗退する接戦となった。レーシングブルズ勢はハジャーが12番手、ローソンが15番手でともに敗退。終盤までP10争いが続く中、ルクレールが8番手に滑り込み、ハミルトン(フェラーリF1)が辛くも10番手でQ3進出を果たした。ギリギリのタイム差が勝敗を分けた。SQ3:最終セクターで決まった頂上決戦最終セッションは、わずか1セットのソフトタイヤでの一発勝負。ラッセルが1分32秒888で暫定トップに立つが、すぐにヒュルケンベルグが更新。続くノリスが1分32秒214を記録し、マクラーレンの逆襲が始まる。しかし最後に登場したフェルスタッペンが圧巻の走りを披露。第1セクターで紫、最終セクターでは驚異的なコーナー処理を見せ、1分32秒143を叩き出して逆転。わずか0.071秒差でスプリントポールを奪取した。ピアストリは3番手に留まり、上位3台がタイトル争いそのままの並びとなった。中団勢の奮闘:ヒュルケンベルグが輝く4番手ザウバーのヒュルケンベルグが驚異の4番手を獲得。1分32秒645と、マクラーレン勢に肉薄するタイムを叩き出し、中団トップとして存在感を示した。その後方ではラッセルが5番手、アロンソが6番手と老練な走りを見せ、コンマ数秒差でメルセデスとアストンマーティンがしのぎを削った。フェラーリ苦戦、ハイダウンフォースが裏目にフェラーリ勢はハミルトンが8番手、ルクレールが10番手と上位進出に苦戦。COTA特有の路面変化に合わせたハイダウンフォース設定が裏目に出た模様で、マシンの伸びに欠けた。レース本番ではセットアップ変更が焦点となる。RB勢の課題:タイミングミスとトラフィック角田裕毅はQ1で渋滞の犠牲となり18番手。ハジャーとローソンもQ2で敗退し、レーシングブルズはともに上位進出を逃した。チーム内ではアタック順序とピットリリースの最適化が課題として浮き彫りに。角田にとっては不完全燃焼の予選となった。最終結果:フェルスタッペンが首位、ノリス僅差の2番手最終結果はフェルスタッペンが1分32秒143でポール、ノリスが0.071秒差で2番手、ピアストリが3番手。ヒュルケンベルグが4番手に食い込み、ラッセル、アロンソ、サインツ、ハミルトン、アルボン、ルクレールがトップ10入り。タイトル争いの三強がフロントに並び、翌日のスプリント本戦は序盤から激戦必至となる。F1 アメリカGP スプリント予選 結果・ラップタイム1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分32秒1432.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分32秒2143.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分32秒5234.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分32秒6455.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分32秒8886.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分32秒9107.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分32秒9118.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分33秒0359.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分33秒09910.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分33秒10411.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)12.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)13.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)14.ランス・ストロール(アストンマーティン)15.リアム・ローソン(レーシングブルズ)16.オリバー・ベアマン(ハース)17.フランコ・コラピント(アルピーヌ)18.角田裕毅(レッドブル)19.エステバン・オコン(ハース)20.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
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