スクーデリア・アルファタウリのクラウディオ・バレストリ(チーフエンジニア / ビークルパフォーマンス)が、2023年F1第12戦ハンガリーGPの決勝レースを振り返った。13番グリッドのダニエル・リカルドはミディアム、17番グリッドの角田裕毅はスタートダッシュを狙ってソフトタイヤを選択。それが功を奏して角田はオープニングラップで11番手までポジションアップ。
一方、リカルドは周冠宇(アルファロメオ)に追突されて、その勢いでエステバン・オコン(アルピーヌ)に追突。さらにオコンがチームメイトのピエール・ガスリーに接触してアルピーヌ勢がダブルリタイアするインシデントのなかで最後尾まで順位を下げる。角田裕毅は、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)をカバーするために10周目にピットインしてハードタイヤに交換。第2スティントを長くする作戦にした。一方、リカルドは18周目まで第1スティントを伸ばしてハードタイヤに交換した。その後、リカルドは29周目、角田は44周目にミディアムに交換。リカルドは41周のロングスティントとなったが、見事なタイヤマネジメントで13位まで順位を上げた一方で、角田はミディアムで順位を上げることができず、15位でフィニッシュした。「今日のレースでは、スタート時のコンパウンドでマシンを分けることにした。裕毅はソフトコンパウンド、ダニエルはミディアムタイヤを選択した。スタートで裕毅はポジションを上げ、トップ10に近づいたが、ダニエルは周に接触され、アルピーヌ2台がリタイアしたため、1周目終了時点で18番手となった」とクラウディオ・バレストリは語った。「10周を終えたところでソフトタイヤでスタートしたマシンがピットインしたため、裕毅も同じようにハードタイヤを装着して第2スティントを長くした。残念なことにピットストップが通常より長かったためポジションを落とし、同じコンパウンドを履いていたアルボンの後ろにつけてしまった」「ダニエルは別の戦略をとり、長めの第1スティントを終えた後、18周目にハードタイヤを装着することにした。これは残りのレースで柔軟性を発揮できる最適なコンパウンドだ」「レース後半は、両ドライバーがハードコンパウンドを履いていたため、裕毅のスティントを延ばし、ダニエルはミディアムタイヤで最後のスティントにフリーエアを確保するためにスティントを短くした。これが功を奏し、ダニエルは安定した速さを見せ、1周目に失ったポジションを取り戻し、13位でレースを終えた」「裕毅は最後のスティントでミディアムタイヤを装着したが、順位を上げるには至らず、ヒュルケンベルグからコンマ2秒差の15位でフィニッシュした」「次のレースに集中しているし、ポイント争いができるポジションにいると信じている」