アルファタウリ・ホンダF1は、12月15日(火)にヤス・マリーナ・サーキットで開催されるヤングドライバーテストに角田裕毅と佐藤万璃音という2人の日本人ドライバーを起用する。角田裕毅に関しては、ホンダF1とレッドブルの両方の育成ドライバーであり、今季のFIA-F2選手権をランキング3位で終了。F1スーパーライセンスを取得し、あとは2021年のアルファタウリ・ホンダのドライバーとしての発表を待つのみとなっている。
すでに角田裕毅は、イモラでアルファタウリ・ホンダF1の2018年マシンでテストを実施している。「今回、アルファタウリのマシンでヤングドライバーテストに参加できることをとても楽しみにしています」と角田裕毅はコメント。「11月のイモラ・サーキットでのテストでは、2018年型のF1マシンを使用しましたが、今回は他のチームと一緒に走る公式テストで2020年型マシンに乗ることになるので、本当に待ち遠しく感じています。また、このテストのために準備を整えてくれたアルファタウリと、テストの機会を与えてくれたレッドブルのヘルムート・マルコ氏にはとても感謝しています」「テストではチームの指示に従ってプログラムを消化し、エンジニアに的確なフィードバックを返すことにフォーカスしていきます。もちろん、今回のセッションの中で学べることをすべて吸収し、確実に自身の成長につなげたいとも考えています」角田裕毅のテスト起用についてアルファタウリ・ホンダF1のチーム代表フランツ・トストは「先日のイモラでのテストで、角田裕毅は非常に早くマシンについて習熟を深め、ラップごとにコンスタントに成長していく姿を見せてくれた。そのことが、今回我々がヤングドライバーテストに彼を乗せる決め手になっている」とコメント。「今回のテストでも、彼が一日を通して成長を見せてくれると思っている。また、2020年型のマシンであるAT01をドライブするので、彼のフィードバックがチームにとっても有益なものになるだろうと期待している。レッドブルのドライバープログラムが今回のようにいいドライバーを輩出できていることは素晴らしいことだし、彼は今回のテストでもその才能を見せてくれると思っている」一方、これまで自動車メーカーの支援を受けずに海外で戦ってきた佐藤万璃音については、ホンダF1とレッドブルのどちらとも繋がりはない。実際、今回のテスト参加についてホンダからは何のアナウンスもない。佐藤万璃音は、2019年にユーロ・フォーミュラ・オープン選手権でチャンピオンを獲得。今年のFIA-F2では1ポイントの獲得でランキング22位で終えている。2013年に佐藤公哉がザウバーから若手ドライバーテストに参加した際には25万ユーロ(約3240万円)を支払ったとされている。今回の走行はそれらの資金を集めることに成功してF1マシンを走らせることを実現したと考えられるが、今回の走行は今後のキャリアに大きな糧となるはずだ。今後ホンダがF1から撤退し、日本の自動車メーカーとF1との関係が断たれたあと、佐藤万璃音のような自動車メーカーにバックグランドなしに自力で海外に挑戦してきたドライバーの存在は重要だ。佐藤万璃音は「アルファタウリからF1カーをドライブする機会を与えて頂きてとてもうれしいです。どんな将来が訪れるにしろ、マシンに早く慣れ、最大限に生かすために、できるだけ多くの周回を重ねていきます」とコメント。「当然ながら、F1カーを運転することはすべてのレーシングドライバーの夢です。アブダビでたくさん楽しもうと思います!」フランツ・トストも、今回の佐藤万璃音の走行が今後のキャリアに役立つことを願っていると語る。「今年のF2でのシーズンを通して堅実な仕事をしていた佐藤万璃音がテストに参加することをうれしく思う」とフランツ・トストはコメント。「彼はF1を走らせる価値がある。彼は熟練したドライバーなので、良い仕事をすることができると確信している。テストの計画はシンプルで、F1カーのフィーリングを良くするためにできるだけ多くの周回数を走らせることだ」「このテストは我々にとっても佐藤万璃音にとっても非常に役立つものになり、F1チームがさまざまな側面でどのように機能しているかを彼が理解できるように最善を尽くす」「さらに、技術的な観点から、彼はF2選手権を継続する来年にむけて恩恵を受ける何かを確実に学ぶことができるだろう。これは彼の将来のための非常に良い準備だと思う。そして、彼の成長に関与できることをうれしく思うし、非常に成功したキャリアになることを願っている」
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