フェルナンド・アロンソは、ガブリエル・ボルトレトを「この世代で最高のルーキー」と評し、もし偏見がなければ、2025年F1シーズンで彼こそが「最高の新人」として称えられていただろうと語った。アロンソは、ハンガリーGPでザウバーのボルトレトが記録したキャリア最高位の6位が、十分な注目を浴びなかったことを残念に思っている。
ボルトレトは2025年シーズン、F1のグリッドにほとんど準備期間を経ずに登場した。マクラーレンの支援を受け、ルーキーシーズンでF2タイトルを獲得し、その前年にはF3(旧GP3)でも王者に輝くという、シャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリらに続く快挙を達成。しかし、マクラーレン傘下にいた間の旧型車テスト(TPC)走行は限られており、一方でキミ・アントネッリは旧型メルセデスF1マシンで9,000km以上を走行していた。そのため、ザウバーが2024年11月初旬に彼を起用すると発表した時点で、ボルトレトはまだ1回のFP1出走経験もなかった。F1史上でも最も準備不足なルーキーのひとりとしてシーズンを迎え、開幕から10戦連続でポイント圏外が続いたが、オーストリアGPで10位に入り初ポイントを獲得。その後は直近4戦で3度の入賞を果たし、ハンガリーGPでは現役ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンや、レッドブル/レーシングブルズ勢、さらにはフェラーリのルイス・ハミルトンを上回って6位でフィニッシュした。しかし、その快挙はフェルスタッペンとハミルトンの不振、そしてメルセデスのアントネッリが10位でポイント復帰を果たした話題に押され、注目度は高くなかった。アロンソは「彼がもしイギリス人で、ザウバーで6位になったなら、全てのニュースで取り上げられていただろう」と指摘し、「彼はミスが少なく、常にプレッシャーをかけ続ける。この世代で最高のルーキーだ。彼のやっていることは本当に素晴らしい」と称賛した。オーストラリアGPで完走はならなかったが、キック・ザウバーのボルトレトは存在感を示した。ボルトレトは過去4戦で3度の入賞を果たし、ザウバーのコンストラクターズ選手権5位争いにおけるウィリアムズ追撃の可能性を高めている。20歳のボルトレトは、開幕から10戦連続でノーポイントだった時期も含め、ルーキーシーズンは計画通り進んでいると考えている。何より、それは成長の過程だ。「ルーキーシーズンだから、成長していくのは普通だと思う。少なくとも僕の場合は、これまでもずっとそうだった」「ジュニアカテゴリーを見ても、僕はいつもこういうステップを踏んできた」「それは僕が仕事をするのが好きで、勉強するのが好きで、自分が何を間違っていたのか、どうすればもっと良い仕事ができるのかを理解するのが好きだからでもある」今季、ボルトレトはアロンソが率いるマネジメント会社A14の所属ドライバーであり、同時にアロンソ自身のライバルとしてF1を戦っている。オーストラリアGPで完走はならなかったが、キック・ザウバーのボルトレトは存在感を示した。開幕戦オーストラリアGPでは両者とも荒れたレースでクラッシュしたが、中国GPを前にボルトレトのパフォーマンスを問われたアロンソは「とても印象的で、とても良い。ただ驚きはない。オリー・ベアマンと並んで、この世代で最高だ。冬の間ずっとハードに準備を進め、メルボルンはデビューに最も難しいサーキットのひとつだったが、彼は素晴らしい走りを見せた」とコメントしている。アロンソはさらに「今年は彼にとって初めて勝てない年になるかもしれない。それも学習曲線の一部だ。私は過去2年間、彼にサーキットの経験や週末の過ごし方、エネルギーの使い方や節約方法、マーケティング活動まで色々とアドバイスしてきた。これはパフォーマンスを損なうものではないし、魔法を渡しているわけでもない。ただ常識的な助言をして、ヘルメットをかぶったときに最大限の力を発揮できるようにしているだけだ」と語った。ボルトレトも「契約では、予選で彼を見かけたら毎回スリップストリームを与えないといけないことになっているんだ」と冗談を交えつつ、「でも彼からは本当に多くのことを学んでいる。週末の中で何に集中すべきか、木曜や金曜の過ごし方など、努力の配分を管理してトラック上でのパフォーマンスを最大化する方法を教えてもらった」と感謝を述べた。「オーストラリアでは互いに本格的に戦うことはできなかったけど、中国ではサイド・バイ・サイドのバトルができればいい。子どもの頃からずっと彼の走りを見てきたし、今こうして彼と同じF1のグリッドで戦えるのは素晴らしい機会だと思う」と続けた。F1 2025年のルーキー成績では、ボルトレトはキミ・アントネッリ(64ポイント)、アイザック・ハジャー(22ポイント)に次ぐ3番手につけている。
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