レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンが、トロロッソでのF1デビューからレッドブル昇格までのジェットコースターのような2019年のF1世界選手権を振り返るとともに、2020年への意気込みを語った。当初、日産からフォーミュラEに参戦する契約を結んでいたアレクサンダー・アルボンだったが、土壇場でトロロッソのドライバーに抜擢され、2019年F1シーズンをダニール・クビアトのチームメイトとしてF1デビューを果たすことになった。
トロロッソ・ホンダ STR14のシェイクダウンテストまでF1マシンを走らせていなかったアレクサンダー・アルボンだが、F1環境にすぐに順応して力強いパフォーマンスを発揮。シーズン後半は成績不振のピエール・ガスリーに代わってレッドブルに昇格した。レッドブル・ホンダでの初戦となるF1ベルギーGPで5位フィニッシュを達成したアレクサンダー・アルボンは、ルイス・ハミルトンに接触されたF1ブラジルGPを除いて、レッドブルでのすべてのレースを6位以内でフィニッシュ。92ポイントを獲得してドライバーズランキングを8位で終え、2020年も引き続きレッドブル・ホンダのドライバーを務めることが決定している。「2018年の11月に誰かに『来年、僕がルイスとレースをして、ブラジルで表彰台を賭けて彼と戦っている』と言われていたら、『君は嘘つきだ』と言っていただろうね。その時点ではF1でシートさえ手に入れてなかったからね」とアレクサンダー・アルボンは語る。「トロロッソと一緒に仕事をすることは素晴らしかった。とても良く世話をしてもらっていると感じていたし、彼らの一員だという感覚があった」「アストンマーティン・レッドブル・レーシングに呼ばれたことは大きな一歩だった。後釜として高い期待に応えなければならなかったし、F1を始めたばかりなので、インパクトを与えて、自分に何ができるかを証明したかった。でも、どこを改善する必要があるかについての理解は深まってきている」レッドブル・ホンダへの加入は、F1のビッグネームのひとつであるマックス・フェルスタッペンとチームメイトになることを意味した。「誰もがマックスが速い、彼がどういうドライバーかは知っている。グリッドで最速のドライバーの1人がチームメイトであること以上に学習し、準備する方法はないよね? 良いことだし、追いかけるべき目標だ。彼はチーム内で何年も過ごしているし、チームからどのようにベストを引き出すかを知っている。僕にとってはそこはまだ学習段階だ」F1でのデビューシーズンは誰にとっても特別であり、ハイライトに満ちたものになる。アレクサンダー・アルボンにとっても多くのハイライトがあったが、それでもマシンに乗ることだけで今でも興奮するとアルボンは語る。「予選で軽い燃料を積んで走ることはこれまでで最も素晴らしい経験の1つだ。観客が僕たちが感じているものを感じてくれていたらいいね。テレビでも印象的に見えるかもしれないけど、それよりもはるかに良いし、別世界だと言えるね!」アレクサンダー・アルボンは、レッドブル・ホンダでの初レースとなったF1ベルギーGPを5位でフィニッシュ。初めてのウェットレースとなったF1ドイツGPではある時点では4番手を走行していた。ブラジルでは初表彰台が見えていたが、最終ラップでルイス・ハミルトンと衝突されて叶わなかった。「全体としてブラジルの週末を見れば、ネガティブな点よりもポジティブな点の方がずっと多かった。ブラジルはある程度は良かった。誇りに思っているけど、もっと多くの望んでいる。あの後は自分自身よりも、むしろチームのために落胆した。追加のポイントを獲得できれば良かったからね。最終的にマックスにとって良かったけど、全員にとって、そして、僕自身にとっては良くなかった。嘘を言うつもりはない。でも、起ってしまったことだし、それがレースだ。次の朝にはもう立ち直っていたよ」競争力を高めたい場合には新たな急激な学習曲線が必要だが、アレクサンダー・アルボンはフロントランナーと戦うために必要なものを持っていることを示した。2020年に向けて今シーズンから学んだことはと質問されたアレクサンダー・アルボンは「外部のノイズにあまり耳を傾けすぎずに、自分のことをして、自分自身に集中することだ」とコメント。「チームスポーツではあるけど、個人としてドライビングにアプローチする必要がある。どこを改善できるか、改善するためには何をする必要があるかを自分に問いかける必要がある。フリープラクティスにもう少し気楽に取り組んで、オーバードライブしないようにする必要がある。ブラジルでは何ができるかを味わえたし、来年もっと良くなれるように、冬の間にそれをベースにしたいと考えている」2020年もレッドブル・ホンダ残留が決定しているアレクサンダー・アルボンは、フルスケジュールで来シーズンを開始し、3月のメルボルンでの開幕戦に集中することができる。「自分がどの位置にいるか認識する必要がある。F1で1年しか経験していないし、チームとは半シーズン以下だ。でも、目標は僕とマックスとのギャップを縮めることだ。僕たちはもう少し力強くスタートしたいと思っている。ファクトリーのスタッフはすでに全力で仕事をしている。メルセデスとフェラーリにプレッシャーをかけ続けたい。メルボルンではトップの近くにいることを願っている」レッドブルはホンダとのパートナーシップを延長しており、アレクサンダー・アルボンにとっては状況はさらに安定したものとなる。「来年はもう少しノーマルになると感じている。今年は初年度だったし、間違いなくノーマルとは言えなかった。ホンダとの初年度でもあったし、関係は素晴らしかった。全員の仕事率とケミストリーは僕たち全員の情熱を示している」2020年の目標について質問されたアレクサンダー・アルボンは「ギャップは縮まっているし、来年にむけてはポジティブに見える。僕たちには取り組んでいくための良いプラットフォームがあるし、それはクルマを開発していく上で本当に重要だ。僕たちは次のステップを果たしたいと思っている。全てが正しい方向に進んでいるし、来年はトップ争いに絡みたいね!」
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