角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、2025年F1アブダビGP決勝でタイトル争いに影響を及ぼした防衛走行について、マーティン・ブランドルから「酔っ払いの船乗りのように」と表現される辛辣な評価を受けた。レース中、マックス・フェルスタッペンとランド・ノリスのタイトル決戦に関わる場面で角田裕毅が見せた動きが、大きな議論を呼んでいる。
ハードタイヤでのロングラン戦略と“分かっている”無線角田裕毅はハードタイヤでスタートし、ノリスのレースに影響を与える目的で第1スティントを長く引っ張る戦略を担当した。無線では「分かっている」と意思を示しながら走行したが、ノリスは比較的容易に角田裕毅をオーバーテイクした。さらに角田裕毅は最終セクターでバックアップを行わず、ロングストレートでの防衛に出た。ここで角田裕毅は激しく方向転換し、ノリスをコース外に押し出す形となった。この結果、スチュワードは角田裕毅に5秒ペナルティを科し、ノリスがコース外に出てオーバーテイクした件は「角田裕毅の動きが原因」と判断して不問となった。ブランドル「無線は威圧的で、動きは規則違反」Sky Sports のレース後コラムでブランドルは、角田裕毅の防衛行為に強い不快感を示した。ブランドルはまず、角田裕毅が与えられた役割が明確だったと述べた。「2台目のレッドブルである角田裕毅は、ノリスがピットストップを終えた後に必ず追い抜かなければならない状況を利用するため、非常に長いハードタイヤのスティントを任されていた」さらにブランドルは、チーム無線の内容が問題だったと指摘した。「多少のチーム戦略プレーなら構わないが、『分かっているだろう』という無線は威圧的で、さらにノリスとルクレールの差1.4秒を伝えるのも同様だった」ブランドルはバックアップすべきだった具体的なセクションまで提示した。「角田は次の周のターン12からターン5まででノリスをバックアップするべきだった。それは容易かつ非常に効果的だったはずだ」しかし実際にはその選択は取られなかった。「代わりに彼はバックストレートで“酔っ払いの船乗りのように”ふらつく動きを選び、規則に違反した。結果としてノリスはダーティなエリア、つまりコース外を通ってオーバーテイクすることになった」ノリスの“オフトラック”は不問に ブランドルは裁定を評価角田裕毅は5秒ペナルティを受けたが、ノリスは順位を維持したままレースを続けた。ブランドルはその裁定を評価している。「ノリスはポジションを返すことはできなかった。ルクレールがすでに角田を抜いていたからだ。スチュワードは理性的な判断を下したと思う」