角田裕毅にとって、ラスベガスGP後の1週間はキャリアの分岐点となる可能性がある。5月のエミリア・ロマーニャGP以来、わずか3回しかポイントを獲得できていない角田裕毅は、ドライバーズ選手権17位に沈み、去就を巡る議論が一気に加速している。2026年のレッドブル・レーシングのシートはアイザック・ハジャーが有力視されており、角田裕毅が残るための「最後の生命線」はレーシングブルズ復帰。
しかし、その座を巡ってはリアム・ローソンやアービッド・リンドブラッドとの争いが待ち受ける。そんな中、レッドブルF1のチーム代表ローラン・メキースが、ラスベガスGP後に角田裕毅の未来を問われ、「真実」を語った。予選で「すべてを失った」──メキースが明かした本音角田裕毅はラスベガスでのフルウエット予選でQ1敗退。レッドブルはタイヤ圧を誤ったことを認め、角田裕毅はピットレーンスタートを余儀なくされた。レース後、Channel 4から「角田はもう諦めてしまったのか?」と質問されたメキースは、こう答えた。「正直に言うと、我々は昨日すべてを失った。予選でミスをし、ピットレーンからのスタートになれば難しいレースになるのは明らかだ。今日のレース結果だけで彼を評価することはしない。重要なのは引き出せるペースだ」メキースは角田裕毅を否定するどころか、状況を生んだ要因は「チーム側にある」と明確に示した。カタールGPが“最後のアピール”の舞台レッドブルは、角田裕毅の2026年の扱いについて カタールGP後に決定する 予定だ。しかし、角田裕毅はカタールのルサイルで過去3回ポイント未獲得。苦手サーキットで未来を賭けた走りを求められるという極めて厳しい状況に置かれる。一方で、メキースは「角田を簡単には手放したくない」姿勢も見せており、これはローソンやリンドブラッドにとって厳しい材料だ。岩佐歩夢のエンジニアが語った“角田裕毅との比較”同時期、スーパーフォーミュラ王者となった岩佐歩夢のマネージャー・小池智彦氏がこう語った。「(岩佐は)昨年よりアプローチが良く、ドライビングスキルも向上している。平均的なパフォーマンスはグリッドの誰よりも良かった。F1でも今の何人かより上手く運転できるだろう。角田より良いパフォーマンスを見せられると思う」角田裕毅にとっては痛烈とも取れる評価だが、同時に日本人ドライバーの層が厚くなったことを示すコメントでもある。レーシングブルズ復帰に“価値はあるのか”もし角田裕毅がレッドブルから外れ、レーシングブルズに戻る場合、その先に再昇格があるかは不透明だ。これはローソンにも同じ構図が当てはまり、だからこそレッドブルは決断を慎重に進めている。角田裕毅はアブダビでは歴史的に強いが、そこまでに評価が固まってしまう可能性もある。カタールでの走りが、F1キャリア継続の最大の分岐点になることは間違いない。
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