レッドブル・レーシングの角田裕毅は、F1サンパウロGPのスプリント予選(SQ1)で18番手に終わり、苦しい週末のスタートとなった。午前のプラクティスでウォールに接触して走行時間を失い、その影響を引きずったまま予選を迎えた。レッドブルF1のローラン・メキース代表とヘルムート・マルコ顧問は、失速の要因として「走行時間の欠如」を挙げつつも、「隠れる場所なんてない」と辛口の評価を下した。角田はシーズン後半に一時復調の兆しを見せたものの、安定した結果にはつながっていない。
メキース「走行時間の欠如が響いた」ローラン・メキースはSky Sportsのインタビューで、角田のパフォーマンスについて次のように語った。「午前中のオフで走行時間を失った分、少し代償を払うことになった。そこでパフォーマンスを失ってしまったんだ」「隠れる場所なんてない。Q1のセッションはあまり良くなかったと思う。走行時間が足りないと自信も失ってしまうし、クリーンなアタックもできなかった。残念だけど、週末はまだ長い」マルコ「少なくともQ2に行くべきだった」ヘルムート・マルコも同局に対し、厳しい言葉を口にした。「もちろん走行時間が足りなかったし、タイム差も非常に接近していた。ただ、それでも少なくともQ2には進出してほしかった。そうならなかった、それが事実だ」角田裕毅「原因はグリップ不足。まだ理解できていない」「フリー走行の走行時間が限られていたことが、早期敗退の原因になったと思いますか?」という質問に対し、角田裕毅は次のように答えた。「正直、それが原因だとは思っていません。ただ、助けにはならなかったです。プラクティスではショートランもロングランもそれなりにできていましたし、SQ1でのアプローチ自体は悪くなかったと思います。ラップもそんなに悪くなかったです。全体的にグリップが足りなかったのが原因ですね。正直、何が起きたのかは少しミステリアスです。ラップ自体を振り返っても、特別どこが悪かったのか、今のところははっきり見つけられていません」さらに、残りの週末については次のように展望を語った。「コンディションは見てみないと分かりません。正直、雨でもドライでも、どちらを願うという気持ちはないです。今はまずクルマの中に何か問題があるのかを見つけないといけません。現時点では、なぜこんなにグリップがなかったのか理解できていないので」2026年シート争いにも影響か角田裕毅の結果は、2026年に向けたレッドブル陣営内のシート争いにも影を落とす。アイザック・ハジャーが昇格候補として最有力視される一方で、角田が残留を果たすには、かつて所属したレーシングブルズが唯一の望みとみられている。一部では、アービッド・リンドブラッドがすでに1枠を確保したとの見方もあり、角田裕毅は元チームメイトのリアム・ローソンと直接競う展開が予想される。決定は最終戦後に持ち越しかレーシングブルズのアラン・パーメイン代表は、ブラジルの『Band』に対し、2026年ドライバー決定の時期について「シーズン終了後になる可能性がある」と発言した。「我々は安定を求めている。だから決定がシーズン終了後になる可能性もある。アブダビの月曜の朝まで分からないかもしれない」当初レッドブルは今月中に2026年ラインナップを確定させる予定だったが、判断は再び先送りとなった。ハジャーはアブダビでのポストシーズンテストでレッドブルのマシンを走らせることを希望しているが、その座を得られるかは不透明。昇格が既定路線と見られていても、姉妹チームでの最終オーディションは続いている。