レッドブル・レーシングの角田裕毅は、F1アメリカGPでの力強いパフォーマンスにより、自身のF1キャリアを大きく前進させた。レッドブルの上級顧問ヘルムート・マルコは、来季2026年のマックス・フェルスタッペンのチームメイトをめぐる判断を保留する姿勢を示し、角田裕毅の安定感を高く評価した。マルコは以前、決定は次戦メキシコGP後に下されると明言していたが、オースティンでの角田裕毅の好走とアイザック・ハジャーの不調を受け、発言をトーンダウンさせた。
「今はそれが最優先事項ではない」とマルコはSkyドイツに語り、「基本的にはそのタイミングを考えているが、実際に決断できるかどうかは様子を見よう」と慎重な姿勢を見せた。レッドブルがフェルスタッペンの勝利とタイトル争い再加速を祝う場面でも、角田裕毅の隣で談笑するマルコの姿が見られた。マルコは角田裕毅の最近の成長を称賛し、「彼は素晴らしいスタートを切り、クリアな走行時には非常に競争力があった。上昇傾向にあるし、安定してきている。それはタイトル争いの中で非常に重要だ」と述べた。角田裕毅は13番グリッドからスタートし、決勝で7位フィニッシュ。スプリントでもポイントを獲得し、週末合計で8点を持ち帰った。「ペースは本当に良かったです」と角田裕毅は語った。「序盤でいくつかポジションを上げることができましたし、全体的なペースも悪くなかったです。第2スティントでは少し抑えすぎた部分もあったんですけど、2レースともポイントを取れたのはポジティブでした。これを続けていく必要がありますね」シート維持に今回の結果が重要だったかと問われると、角田裕毅は即答した。「もちろん重要です。僕に求められているのは結果を出すことですから」「コンストラクターズランキングを上げるためにも大事ですし、チームはまだ諦めていません。マックスのタイトルも諦めていません」「特に今はショートランの改善に集中しています。毎回スタートであれだけ攻めるのは現実的ではないので、予選で前の方からスタートしてトップチームと戦うことが目標です」一方、角田裕毅のライバルであるアイザック・ハジャーは厳しい週末を過ごした。予選クラッシュにより最後尾スタートとなり、決勝は16位でフィニッシュ。「予想通りのレースだった」とハジャーはCanal Plusに語り、「後方スタートでは前方で何も起きない限り奇跡はない」と悔しさをにじませた。「今季これまでにも厳しい週末はあった。夏休み前には苦しい時期もあったけど、そこから強く戻ってきた。メキシコではいくつかのことを理解できるといいね」と前を向いた。ハジャーは最近、「もしレッドブルのシートを逃すなら辛い」と語っており、シーズン中の早期交代をマルコに示唆する発言もしている。角田裕毅、レッドブル残留に現実味?オースティンでの角田裕毅のパフォーマンスは、結果と内容の両面でレッドブル首脳陣に強い印象を残した。スプリントと決勝の両方でポイントを獲得し、冷静かつ安定したレース運びを見せたことは、マルコの評価にも直結している。特に注目すべきは、マルコのコメントのトーンだ。これまで「メキシコ後に決定」としていた期限を明確に緩め、「様子を見る」と発言を修正。これは角田裕毅が自力で2026年シート争いを引き戻したことを意味するかもしれない。
全文を読む