角田裕毅はF1マイアミGPでレッドブル・レーシング加入後2度目の入賞を果たし、「RB21に慣れればフェルスタッペンに近づける」と自信を語った。アップグレード未装着のマシンで安定した走りを披露し、マシン理解が深まれば上位争いに加われるという手応えを得ている。レース中にはピットレーン速度違反による5秒加算のペナルティを受けたものの、角田裕毅は最後まで粘り強く走行を続け、10位でフィニッシュ。
チームメイトのマックス・フェルスタッペンとの差について「ペースは大きく離れていない」と語り、RB21に順応することでさらなるパフォーマンス向上が可能だと強調した。「マックスはポールポジションからスタートして4位でフィニッシュしました。彼はすでにマシンの限界を引き出していると思いますが、僕はまだ今季4戦目ですし、まだ伸びしろがあると確信しています」と角田裕毅はViaplayの取材に語った。スプリントで存在感、決勝でも結果を残すマイアミでのスプリント予選では、終盤にピットを出た際の渋滞によりタイムアタックができず、SQ1敗退に終わった角田裕毅。しかしスプリント本戦では6位と健闘。ピット作業の危険リリースにより10秒ペナルティを受けたフェルスタッペンが17位に沈むなか、レッドブル・レーシングに貴重なポイントをもたらした。決勝では10番手スタートから順位を守りきったが、ペナルティがなければ8位争いに加われていた可能性もある。それでも角田裕毅は、アップグレードが施されていないRB21から良好なパフォーマンスを引き出しており、その点に自信を深めている。RB21アップグレードはフェルスタッペンのみ。角田裕毅は旧仕様で健闘今回のマイアミGPでは、フェルスタッペンのマシンにのみ新しいフロアが投入された。当初はイモラでの導入が予定されていたが、製造の都合により1台分のみが完成し、角田裕毅のRB21には適用されなかった。レッドブル・レーシングのチーフエンジニア、ポール・モナハンはF1TVに対し、次のように語っている。「今回の変更は、CFDと風洞実験で最適化されたフロアフェンス周辺の微調整である。目に見えて大きな変化ではないが、空力的な負荷は確実に向上している。また、フロアエッジウィングも最適化されており、いくらかの追加ダウンフォースが得られている。ごくわずかな調整ではあるが、性能の向上にはつながっている」こうした状況にもかかわらず、角田裕毅はチームの開発方針に理解を示し、自身の走行データを通じてレッドブル・レーシングの開発に貢献していく姿勢を見せている。「バーレーンの時と同様、マイアミでもチームとして多くの課題がありました。開発に役立てるよう、フィードバックは全力で伝えていきます」と語った。F1イモラGPでRB21に本格アップデート投入へ次戦F1イモラGPに向け、レッドブル・レーシングはRB21のアップグレードをさらに進化させる予定である。より完成度の高いフロア改良版や空力パーツが導入され、中高速コーナーでの挙動改善とドライバビリティの向上が狙いとされている。序盤戦では路面状況に対する挙動の不安定さが指摘されていたが、RB21の特性をさらに引き出すための開発が続けられている。角田裕毅はそのプロセスにも深く関わっており、自身のフィードバックが今後の開発の鍵になる。RB21の特性に自らのドライビングを適応させ、コンマ数秒の差を削り出せるか。F1のタイトル争いが激化するなか、角田裕毅とレッドブル・レーシングにとっては、シーズン中盤に向けての重要なフェーズが始まろうとしている。