角田裕毅が、F1で成功する日本人ドライバーが少ない理由について語った。角田裕毅は、ホンダとレッドブルで海外のジュニアカテゴリーへの参戦を経て、2021年にアルファタウリからF1デビュー。今年F1参戦4年目を迎える。それ以前にF1に参戦してポイントを獲得したドライバーは小林可夢偉(2009年~2014年)、中嶋一貴(2007年から2009年)、佐藤琢磨(2002年~2008年)と3人だけとなる。
その間にホンダの育成ドライバーが何名かF2(GP2)に参戦してF1を目指したが、数年で夢破れて国内でSUPER GTやスーパーフォーミュラで骨をうずめようとしている。今年のF1日本GPでは、角田裕毅と同じようにレッドブルとホンダの育成ドライバーであるFP1に出走したが、今年は日本に戻ってスーパーフォーミュラに参戦しており、来年、海外で活動するチャンスが与えられるかは分からない。海外の目には、日本のように熱狂的なレースファンが多い国で、F1で成功したドライバーがほとんどいないと映っている。その理由は説明するよう求められた角田裕毅は「まず第一に、ヨーロッパからとても遠いことですね」と答えた。「スーパーライセンスを取得するためには、主にジュニアカテゴリーでヨーロッパのレースに参戦する必要があると思います。そして、F1チームのできるだけ近くにいて、注目を浴びること、つまり興味を引く必要があります」「また、レギュレーションも少し違います。ヨーロッパと日本では、シングルシーターを始められる年齢など、レギュレーションが少し違います。日本では16歳かですが、ヨーロッパではドライバーは14歳から始めることができます。2歳の差があります。それが原因で、すでにスタートが遅れています。だからこそ、レースをしたり、ヨーロッパのドライバーと競い合うためにヨーロッパに行かなければならないし、おそらくそこが少し難しくしています」「それに言葉の問題もあります。日本人は僕のように英語があまり上手くないです。だからコミュニケーションをうまくとるのが難しいし、たとえばクルマのセットアップで具体的に何を求めているかを伝えるのも難しいです。こういうことには少し時間がかかります。それに、F3ではフリー走行が1回しかなく、そのまま予選に突入するので、すぐに自信を持ちたいものだ。だから、それは難しいですね」だが、今年はトヨタが育成ドライバーの宮田莉朋をF2に送り込んでおり、平川亮がマクラーレンのリザーブドライバーを務めるなど、これまでホンダがやってきたようなエンジン契約の一環としてF1シートや育成契約を結ぶという方法論と異なるやり方をスタートさせた。次世代の日本人ドライバーにインスピレーションを与えているという自覚はあるかと質問された角田裕毅は「そう願っています」と答えた。「すでに多くの日本人ドライバーがF2に参戦しているのを見てきました。トヨタのような別のメーカーの日本人ドライバーもいます「でも、多くのドライバーがヨーロッパのレースに挑戦するようになるのはいいことだと思います。でも、そうですね。また別のドライバーが現れることを期待しています」同じ質問がF1日本GPの記者会見で過去に日本のスーパーフォーミュラに参戦したピエール・ガスリーにも投げかけられた。「裕毅がうまく説明してくれたと思う」とガスリーは続けた。「それは、主にほとんどのカテゴリーがヨーロッパにあるということだと思う」とガスリーは語った。「日本に拠点を置いていると簡単ではない。ますまず多くの日本人ドライバーがヨーロッパに来て、F3やF2でレースをしているのを目にしている。振り返ってみると、まだ、佐藤琢磨、中嶋一貴がいて、角田裕毅もいるけど、アメリカのドライバーについても同じことが言える。アメリカは広大な国だけど、それでもここF1には多くのアメリカ人がいない」「理由の一部はただそれだけのことだと思う。主にすべてのレースはヨーロッパで行われており、ランクを上げるためには家族と離れてヨーロッパに行かなければならない。それは犠牲だ」