レッドブルは、スクーデリア・アルファタウリに所属していたニック・デ・フリースを解雇し、次戦F1ハンガリーGPからダニエル・リカルドを復帰させることを決定。その交代劇の背景にはセルジオ・ペレスの後継問題、ジュニアドライバー事情、そして、角田裕毅のホンダF1との関係も絡んでいると海外情報筋が伝えている。7月11日(火)、レッドブルとスクーデリア・アルファタウリは、ニック・デ・フリースを即時解雇とし、レッドブルのサードドライバーを務めるダニエル・リカルドが、レンタル移籍でアルファタウリのF1ハンガリーGP以降の...
ニック・デ・フリースは、F1グリッドで最も競争力の低いAT04、3年目の角田裕毅の比較という厳しい条件ではあるものの、わずか10戦での解雇となった。レッドブル系のニュースを伝えるTwitterアカウントによると、今回の交代劇はいくつかの要因が絡んでいるという。複数の情報筋によると、ダニエル・リカルド、角田裕毅、ニック・デ・フリースのシミュレーターでのデータが比較検討されたという。そこでデ・フリースは角田のベンチマークに匹敵することができず、数ラウンドの猶予が与えられていた・・・そして、それは達成されなかった。参考までに、7月11日(火)にシルバーストンで行われたピレリのタイヤテストでダニエル・リカルドはRB19をドライブし、タイヤブランケットなしの硬いコンパウンドで1分27秒415というベストタイムを記録したという。これは、セルジオ・ペレスがQ1敗退を喫したF1イギリスGPでのマックス・フェルスタッペンのポールタイム(1分26秒720)よりもコンマ7秒遅いが、実際に使用されたソフトコンパウンドならば、コンマ2秒差でフロントロー獲得も可能だったとの見解が示されている。一方、スクーデリア・アルファタウリは、2024年にリブランディングを予定しており、チーム名を変更することが計画されている(都合上、以降はアルファタウリと表記)。スポンサーは、ダニエル・リカルドの方が収益性が高いとし、リブランディングの鍵を握ると見ているという。また、レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、現在、日本でスーパーフォーミュラに参戦しているリアム・ローソンを将来のドライバーとして重要視しているようだ。リアム・ローソンは、まだレッドブルの一員であり、スーパーフォーミュラでの活躍は期待以上。ヘルムート・マルコは、最も遅いマシンであるAT04で、リアム・ローソンの開発をシーズン途中で中断させたくないと考えたという。F1ハンガリーGP以降のダニエル・リカルドのパフォーマンス次第では、リアム・ローソンは2024年にアルファタウリのシートを与えられるか、あるいはアレクサンダー・アルボンのように別のシートを見つけることになるだろう。そのいずれにも当てはまらない場合、リアム・ローソンは2025年にアルファタウリのシートを獲得することが100%確実となる。また、2024年に契約が切れるセルジオ・ペレスの後継問題も絡んでいる。現在、ペレスは5戦連続でQ3進出を逃し、前戦イギリスGPでも表彰台争いに絡むことができなかった。現時点では、レッドブル・レーシングはコンストラクターズ選手権首位を独走しており、ペレスの不振は影響していないが、ライバルの進歩によって、シーズン後半、さらには2024年には影響が出てくるかもしれない。角田裕毅は、アルファタウリで3年目を迎えており、2024年も残留すると考えられている。角田裕毅は、レッドブル・レーシングへの昇格を目指しているが、レッドブルはホンダが角田をアストンマーティンに連れて行きたいと考えていると確信しているという。それもあってか、ホンダとアストンマーティンの2026年からのパートナーシップが発表されて以降、角田裕毅の名前はレッドブル・レーシングのプランに上がっていない。ヘルムート・マルコがセルジオ・ペレスの後任がいないと発言した理由もそこにあるという。その裏で、ヘルムート・マルコは、マクラーレンのランド・ノリスのマネージャーと会談を行ったとも報じられている。今回の交代劇は、角田裕毅がレッドブルの構想に含まれておらず、ダニエル・リカルドが不振の場合には、リアム・ローソンを起用する口実を作ることができ、、リカルドが、角田を余裕で上回るパフォーマンスを示せば、セルジオ・ペレスにプレッシャーをかけ、2025年の後任として復帰するというシナリオが描かれているかもしれない。
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