角田裕毅が、アルファタウリ・ホンダとの3日間の2021年F1プレシーズンテストを振り返った。バーレーンでの3日間のF1プレシーズンテストを終えた角田裕毅は、オンライン記者会見を開催して、新車AT02の手応えや2021年のF1世界選手権にむけた意気込みを語った。「テストで3日間走り、3日目は順調に走れました」と角田裕毅は語る。
「3日目はセットアップに集中できてスムーズな1日でした。1日目と2日目は新しいクルマに慣れることを目指してましたが、1日目は燃料タンク系の問題が出て37周しか走れませんでした。2日目はスティントごとに問題が出てしまい満足できる走り込みができなかった。それに対して、3日目はレースと予選シミュレーションを行うことができました」「バーレーンの特徴の1つとして風が強いことがあります。イモラなどは風が強くない。風はF1の空力に影響を与えます。風の向きで走り方も変わってきます。コーナーによって、向かい風ではグリップが増えますが、逆に追い風だと滑り気味になってしまいます。そのため、コーナーごとに走り方を変えていく必要があります。コーナーによっては進入から中間は向かい風で、中間から出口は追い風とかもあります。アクセルワークに気をつけないといけないし、そういうところが課題ですね。クルマの感触は悪くないですし、レースでは頑張りたいです」角田裕毅は、最終日に最速タイムのマックス・フェルスタッペンからわずか0.093秒差の2番手タイムを記録した。「もちろんテストですが、トップ3に入れたのは嬉しいですし、自信にもつながります。でも、テストではどの燃料を使うかなど、チームによってやってることが違うので一概にいいとはいませ」「それでも、自分のドライビングをスティントごとに上げていって、走りに集中することができました。トップ3に入れたことは自信に繋がりました」角田裕毅は、プライベートテストでは2019年F1マシンのSTR14、昨年のF1アブダビテストではAT01をドライブしている。新車AT02の印象はどうだったのだろう。「去年のクルマと比較するのは難しいです。去年のクルマに乗ったのはアブダビの最終戦後のテストのときだけで、コースのコンディションも風も違います」と角田裕毅は語る。「今年のクルマに乗ってすぐ感じたのはステアリングですね。パワーステアリングのないF2やF3に比べて、F1はタイヤのグリップやダウンフォースのレベルが伝わりにくく、ハンドルを曲げすぎてしまう。そこを改善するようにチームにお願いして、イモラでシェイクダウンをした時のステアリングの印象はポジティブでした」「レギュレーションで、2021年はフロアが削られてダウンフォースが減っているはずですが、そこをアップデートでカバーできていますし、乗りやすいと思います。ただ、まだバーレーンでしか走っていないので、大きな変化は分からないですね」テストを通じて勉強になったドライバーはいるかと質問された角田裕毅は「チームメイトのガスリー選手です」とコメント。「他のドライバーはデータを見ることができないので比較できないけですが、ガスリー選手と比較して、向かい風を利用して進入で稼いだり、コンディションで走り方を変えることを学べました」「午前と午後で変わってくるので比較しにくいというのはありましたが、タイヤマネジメントでどのくらいタイムを落とさなければならないとか、縁石の使い方に関して、ここは乗っていいとか、乗っていけないというのは、ガスリー選手のオンボードで勉強できました」その他のドライバーで理想のドライバーは誰かと言う質問には「ハミルトン選手、フェルスタッペン選手です」とコメント。「特にハミルトン選手は7回もチャンピオンを取っていますし、誰からも認められて、ああいうポジションにいる。自分もチームからバックアップされるドライバーになりたいです」2週間後にはいよいよ開幕戦を迎える。開幕戦の目標について質問された角田裕毅は次のように答えた。「開幕戦の目標は特にないですが、ポイントを獲れるように頑張ります」と角田裕毅はコメント。「まだF1でのレース経験がないので、今持っているパフォーマンスを出し切って、ミスを恐れず攻めていきたい。ミスをするとは思いますが、それを第2戦以降で改善していきます。今持ってるパフォーマンスを出し切れるようにしてプッシュして走りたいです」「今年の目標はポイントをできるだけ獲ることです。表彰台や優勝ももちろん狙っていきますが、現段階では何が起こるか分からないので、序盤から中盤までプッシュして、ミスを恐れず走ります。中盤から後半は、そこから学んだことを活かしてよりよいレースをしていきたいです」「7年ぶりの日本人ドライバーとしてレースに参戦しますが、アグレッシブに攻めていきます」「バーレーンは去年のF2ですでに走っているコースです。当初はオーストラリアが開幕戦で不安がありましたが、バーレーンは去年レイアウトは違うけど勝っているし、自信あるので、すべてを出し切りながら走りたいと思っています。そういうアグレッシブなところを見ていただきたい」「鈴鹿での日本GPは本当に楽しみにしていて、日本のファンのみなさんの前で走るのを楽しみしています」