WRC第9戦ラリー・ドイチェランドが開催され、シトロエンのダニ・ソルドが、自身のWRC初優勝を果たした。シトロエンレーシングにとってもドイチェランド13連勝、ドイチェランドがWRCに昇格して以来12年連続せの優勝となった。ミッコ・ヒルボネンも3位に入り、シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチームはマニュファクチャーラーズポイントにおいてトップに大きく近づいた。
デイ4に向けての作戦は明確だった。2位のライバル、ティエリー・ヌービルとの差は0.8 秒でで、ダニ・ソルドは24.58Kmのドロンタルステージ2回を全開で攻めるだけだった。ドライバー達がタイヤ選択を始めた頃にはステージコンディションはドライとなり、選手たちは皆、ミシュランのソフトコンパウンドタイヤを選択した。サービスパークでは緑色と赤色でスプリットタイムの状況を表示するスクリーンに一同が釘付けとなった。SS15のスタートではティエリー・ヌービルが良いスタートを決めたが、ダニ・ソルドの方が2.2秒速いステージトップタイムを記録した。「スタートしてから数キロ地点でちょっとミスが出た。フィニッシュに向かうにつれて路面に泥が出てきていて、もの凄く滑りやすかった。集中して少しでも速く走るよう頑張ったよ。でも、それはラリー最後まで続くんだ」と、ダニ・ソルドはフィニッシュ・コントロールで息を切らしながら答えた。ボーナスポイントが加算されるパワーステージとなっているSS16のスタートで、ダニ・ソルドはティエリー・ヌービルに3秒差をつけた。しかし、十分なリードではなかった。初めの2カ所のスプリットタイムでは、ダニ・ソルドはティエリー・ニュービルより速く、ステージ中間地点ではティエリー・ニュービルの方が遙かに速かった。残り4kmになったところでは2人ともフィニッシュを目指し接戦となった。ラストでティエリー・ヌービルはミスからコースアウトを喫し、ダニ・ソルドに53秒差で優勝を譲りました。「激戦を制してWRC初優勝は本当に素晴らしい。僕達には最後までヌービルへプレッシャーをかけ続けることしか選択肢はなかった。結果、ヌービルはミスを犯した。ラリーのスタートは良くなかったけど、頑張って優勝できた。昨日が一番辛かったけど今日も頑張ったと思う。その結果が僕たちの初優勝につながったんだ。もっと優勝したいね」と、ダニ・ソルドは初優勝の喜びを語った。しばらく4位に甘んじていたミッコ・ヒルボネンは、上位2選手とは別な戦いをしていた。マイペースでスプリットタイムを見ながら賢明に戦い3位のポジションを勝ち取り、ポルトガルラリー以来の表彰台となった。「ソルドがついに優勝してくれたことがとても嬉しいよ。全ドライバーの中で、彼が最もふさわしい奴だね。僕らの結果がマニュファクチャーラーズポイントに大きく貢献しているから、シーズン終わりが楽しみだ。僕はオーストラリアで優勝したいと思ってる」とミッコ・ヒルボネンは語った。「チーム全体にとってすばらしい一日だった。ソルドは私たちと長い間戦ってきてくれたし、シトロエンが彼のWRC初優勝のサポートができて嬉しいです。この優勝がドイチェランドラリーの不敗記録を更新しましたし、セバスチャン・ロ−ブ不在でもDS3 WRCが優勝できるマシンだと証明してくれました。我々が諦めなかったことは正しい選択でした。シーズン終了までプッシュし続け、諦めないで戦い続けることを固く決意しています」とシトロエンレーシング監督のイブ・マットンは結んだ。次回のWRCは、9月13日〜9月15日にオーストラリアで開催される。
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