セバスチャン・ベッテルの歴史的なF1マシンでの走行を支えてきたカーボンニュートラル燃料サプライヤーであるP1 Fuels(F1ヒューエルズ)が、将来のパートナーシップについてF1チームと交渉中であることがわかった。昨年のF1イギリスGPで、ナイジェル・マンセルの1992年のチャンピオンマシンでベッテルが独自のカーボンニュートラル燃料(e-fuel/合成燃料)でデモ走行を行い、P1フューエル(P1 Fuels)の技術が注目を集めた。
その際、ベッテルはデモ走行の動機のひとつは「過去と現在のレーシングカーの内燃エンジンを、より持続可能な方法で使い続けることが可能であることを証明するため」と語っていた。「モータースポーツの歴史や伝統、文化を継承しつつ、より責任ある方法で行うことができることを実演するためにカーボンニュートラルな燃料を使っている」と走行前に説明した。P1 Fuels は、すでに世界ラリー選手権(WRC)の独占サプライヤーとなっており、モータースポーツで自社の技術を披露することで、消費者に広く普及させることができると考えている。今回、P1 Fuelsの共同創設者兼最高執行責任者(COO)のベンジャミン・ポッホハマーは、2026年からF1が完全に持続可能な燃料に切り替わることに向けて、F1チームのサプライヤーと協力し、将来のパートナーシップの可能性を検討し始めていることを明らかにした。F1は現在、2026年の燃料に関するレギュレーションの策定をアラムコと独占的に行っているが、P1 Fuelsは、どのように関与できるかについて、すでにF1チームと話し合いを始めていると述べた。P1 FuelsとF1チームとの関係についてベンジャミン・ポッホハマーは「お互いを知りつつある」とラリー・ポルトガルで語った。「アラムコはこの場所で唯一の企業であるため、現在F1では入札は行われていない」「しかし、F1では、誰もが異なる燃料会社でドライブすることができる。だから実際にはすでにチームと組んでいるF1レーシング会社がいくつかあり、彼らは我々の製品をテストしたいと考えている」ベンジャミン・ポッホハマーは、どの企業やチームと話をしているかについては詳しく説明しなかったが、P1 Fuelsの製品を一般に広く知ってもらうことができる「エキサイティング」な可能性であると述べた。「我々はレースが大好きなので、とてもエキサイティングなことだ」とポッホハマーは語った。「だが、我々はマスマーケットを視野に入れている。他社との差別化を図りたいと思っている」「我々にはビジョンがあり、これは最初のステップだが、第二のステップは、この種の燃料を使用できるようにすることだ。それが我々のビジョンだ」セバスチャン・ベッテルとの関係 ベッテルとの関係は、P1 Fuels製品の認知度を高める上で素晴らしい効果をもたらしたが、ポッホハマーは、2人の関係は完全に非公式なものであり、単にベッテルが気候変動に貢献したいと思ったことがきっかけだったと語った。「2015年に彼は『気候について何かする必要がある。レースに出たい』と言った。つまり、そこには主旨があった」と語った。「数年かかりましたが、今ではそれがあらゆるエンジンで機能することが証明された。レギュレーションは存在しており、実際に世界が注目している」「彼(ベッテル)はP1がやっていることを愛している。彼は公式なアンバサダーでも何でもない。彼はP1を使っているし、実際にどこに行っても、『よし、君のクルマを運転するけど、ただしP1だけだぞ』と言っている。我々ははそれが大好きだ」「ベッテルはその話題に夢中なんだ。他に理由があるわけではなく、本当に変化を起こしたいからだ」
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