セバスチャン・ベッテルは、フェラーリの今季タイトルに打撃を与えたと思われるドライバーエラーの中で最大の過ちだったのは、物議を醸したF1アゼルバイジャンGPでのルイス・ハミルトンとの接触だったと語った。今週、フェラーリのセルジオ・マルキオンネ会長は、技術的なトラブルとドライバーの“ミスジャッチ”のコンビネーションが、フェラーリが両方のチャンピオンシップを逃した要因だと述べていた。
前半戦、セバスチャン・ベッテルはドライバーズ選手権で有利な立場にいたが、アジアラウンドで3戦連続で躓き、ルイス・ハミルトンに引き離されることになった。セルジオ・マルキオンネは、セバスチャン・ベッテルがポールポジションからスタートしながら、スタート直後にマシンを左に寄せてマックス・フェルスタッペンとキミ・ライコネンを巻き込んでレースを終わらせるクラッシュを起こしたF1シンガポールGPに言及していたと思われる。そのレースでは不利な状況にあったルイス・ハミルトンが優勝している。しかし、セバスチャン・ベッテルの脳裏には別のミスがはっきりと浮かんでいるという。F1アゼルバイジャンGPのセーフティカー導入時にカッとなってルイス・ハミルトンと横並びになり、体当たりを喰らわた一件だ。セルジオ・マルキオンネのコメントについてどう思ったかと質問されたセバスチャン・ベッテルは「十分にフェアな見解だと思う」とコメント。「いつだってもう少し違うやり方ができたのではないかと思う事はある。総合的に見れば、ここまで僕たちが手にすることができた、あるいは手にするべきだったはずのシーズンには最終的にはならなかったという点にはみんな同意できると思う」今年、自分がミスを犯したという見解には同意するかと質問されたセバスチャン・ベッテルは「振り返ってみると、明らかに目立つのはバクーだ。でも、それ以外はまずまずOKだったと思う」バクーでの体当たりは大いに物議を醸し、セバスチャン・ベッテルにはレース中のストップ&ゴー・ペナルティとスーパーライセンスへのペナルティポイント3点が科された。しかし、その後ベッテル本人が全責任を認め、FIAに謝罪したことでそれ以上の処罰は免れた。レースでは、ルイス・ハミルトンはその後のレースをリードたが、赤旗中の混乱で緩んでしまったヘッドレストを修復するためにピットストップを強いられ、セバスチャン・ベッテルより後ろでフィニッシュ。セバスチャン・ベッテルはチャンピオンシップのリードを広げてバクーを後にした。アジアラウンドに入るまでは、フェラーリとセバスチャン・ベッテルにとって、バクーでの一件は些細な傷に過ぎないように見えた。しかし、F1シンガポールGPのクラッシュでチャンピオンシップの流れはメルセデスに傾き、その後マレーシアと日本では連続してセバスチャン・ベッテルのエンジンにトラブルが発生したことで、メルセデスはアメリカGPでコンストラクターズタイトル、ルイス・ハミルトンはメキシコGPでドライバーズタイトルを決めている。今シーズン、少なくとも1つはタイトルを獲得できた機会を失うことになったセバスチャン・ベッテルだが、今の焦点はシーズンを好調で終えることだと語る。「僕はチームの一部だし、僕たちはみんなで一緒にシーズンを乗り越えていく。次の2レースも同じだ。モチベーションは高い」とセバスチャン・ベッテルはコメント。「ここ最近の週末は大きな変更がたくさんあったし、セットアップ変更や長い夜があったりと、全員がとてもタフな時間を過ごしてきた。だから、あと2つは穏やかな週末を過ごしてシーズンを終えたい。ただ、結果は穏やかではない方がいいね。最大限を目指していく」関連:【動画】 セバスチャン・ベッテルがルイス・ハミルトンに報復行為
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