セバスチャン・ベッテルは、F1アゼルバイジャンGP決勝での危険運転に対して3ポイントのペナルティポイントを科せられ、出場停止処分まであと3ポイントとなった。セバスチャン・ベッテルは、F1アゼルバイジャンGPでルイス・ハミルトンで物議を醸す行動に出た。2回目のセーフティカー中、トップを走行していたルイス・ハミルトンがターン15でスピードを抑えたことで2番手を走行していたセバスチャン・ベッテルが避けられずに追突。
セバスチャン・ベッテルは、ルイス・ハミルトンが“ブレーキテスト”をしたと考え、ハミルトンの横にマシンを寄せて手を上げて抗議。さらにマシンを幅寄せしてタイヤ同士が接触した。スチュワードは、セバスチャン・ベッテルのこの行為を危険運転と見なし、10秒のストップ&ゴー・ペナルティと3点のペナルティポイントを科した。スーパーライセンスに与えられるペナルティポイントは12カ月有効であり、12ポイントに達したドライバーは次のレースでスーパーライセンスが停止され、レースに出場できなくなることがレギュレーションで定められている。昨年から6ポイントの累積があるセバスチャン・ベッテルは、今回の加点でペナルティポイントが9点に達した。そのうち2点は次戦F1オーストリアGP終了後の月曜日に失効するが、その次の2点は9月の第15戦F1マレーシアGPまで期限があり、それまでベッテルは5点の余裕しかないことになる。 ルイス・ハミルトンを抑えて4位でフィニッシュしたセバスチャン・ベッテルは「彼はブレーキテストをしかけてきた」とコメント。「もちろん、意図的にやったとは思っていないけど、正しい行為でもないと思う。僕が苦しいならば、僕より後ろのみんあはもっと苦しいはずだ。あれが必要だったとは思わない。ダメージを受けたし、彼もダメージのリスクがあった」「自分がペナルティを受けて、ルイスが受けなかった理由がわからない。このようなエピソードではペナルティを科すなら両方のドライバーに科すべきだと思っている」と語っている。だが、問題の場面でルイス・ハミルトンはブレーキをかけておらず、スチュワードも両者のデータを調査した結果、ルイス・ハミルトンはその前のリスタートと同じ走りをしており、違反的な行為は見つからなかったと結論付けている。メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは「ベッテルのリアクションに対しては1つの説明しかできない。ここでセバスチャンを擁護することはできない」とコメント。「彼はルイスがブレーキテストしたと考えているようだが、それは違う。我々はデータを確認しているし、セーフティカーは150m前にいた。それは間違った考えだ。彼がわざと寄せてぶつけたとは思えないし、この件については個人的に話をして彼の考えを聞きたいと思う」F1の競技レギュレーションでは、セーフティカー解除後のリスタート時は、“セーフティカー後方に位置する先頭車両が走行ペースを決めることができ、必要であればセーフティカーとの車間距離を車両10台分以上としても構わない”と記されているが、同時に“いかなる車両もセーフティカーが出動中のどの時点であっても、不必要に遅くまたは不安定な走行する、または他のドライバーあるいはそれ以外の人に対して危険を及ぼす可能性があるような方法で運転できない”とも書かれている。トト・ヴォルフは「まず第一に、先頭のドライバーはペースを管理することが認められている。コーナーに入った時にセーフティカーはわずか150m前方にいた。その前のリスタート時に彼は危うくセーフティカーラインより前で追いつきそうになってしまっていた。だから、彼があそこから加速を始めるなどということは考えられなかった。決してあり得ない」 「データを見ればブレーキは全く関係していない。彼はコーナーを抜けながらアクセルを緩めただけで、セバスチャンが追突してきた。つまり、ルイスには何の非もなかった」一方のルイス・ハミルトンは「他のシリーズの若い子たちがチャンピオンをお手本としている。あれは複数のチャンピオンを獲得している人がやるべき行為ではない」と批判。「苦しい時こそ人の本性が現れるものだ。僕は正しいやり方でこのチャンピオンシップに勝ちたい。今週末を終えて、できるという自信がさらに強まった」とタイトル獲得への決意を新たにした。関連:【動画】 セバスチャン・ベッテルがルイス・ハミルトンに報復行為