マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、アブダビGP予選でポールポジションを獲得したものの、日曜の決勝でタイトルを守るためには「少しの助けや運」が必要だと率直に語った。ヤス・マリーナ・サーキットでライバルのランド・ノリスに0.2秒差をつけ、三つ巴のタイトル争いに向け完璧なスタートを切ったが、ノリスとの差12ポイントを逆転する状況は依然として厳しい。
フェルスタッペンは予選で驚異的なスピードを見せ、マクラーレン勢に心理的な揺さぶりをかけつつも、「自分にできるのは勝つこと。その上で助けが必要」と語り、冷静に状況を見極めている。RB21の不調を修正し“夜の変化”で一気に好転フェルスタッペンはフリー走行で抱えていたRB21のバランス不足が、予選に向けた最終調整で改善したと説明した。「予選は他のセッションより少しまとまっていた感じがした。走るたびに少し改善していたし、最後に夜に向けて加えた変更が自分たちを助けた」と語った。Q2ではスクラブタイヤで走行したにもかかわらず、感触は良好だったという。「正直、最初の走りで新品タイヤがあそこまで効くとは少し驚いた」さらにフェルスタッペンは、角田裕毅がQ3進出により自らのラップを犠牲にして“トウ”を提供したことに深く感謝を示した。「もちろん、ユウキの助けがあってのラップだ。あれだけ走りを犠牲にしてくれたのは本当にありがたいこと。2回目のラップではトウがないぶん厳しいかと思ったが、コーナーで少しタイムを見つけることができた」レースペースは「週末で一番良かった」も、決勝の行方は未知数フェルスタッペンは金曜フリー走行でロングランに苦戦していたが、「週末で一番良い感触だった」と明かした。「たくさんの周回を重ねて準備をした。自分としては一番良い走りができたと思う。でも、それが十分かどうかは明日見てみないと分からない」日曜に向けては、逆転王者の条件が複雑であることを理解しつつ、こだわりはないと語る。「もちろん勝つつもりで行く。でもタイトルを取るには少し助けや運が必要だ。どうなるかは明日次第だ」“計算はしない” フェルスタッペンは戦略議論を一蹴タイトル獲得に必要な細かな条件を今夜考えるのかと問われると、フェルスタッペンは笑いながらこう答えた。「いや、明日考えるよ。今夜じゃない。戦略の話と同じで、1〜2時間議論しても、1周走ったらゴミ箱行きだ。良いことも悪いことも起きるから、明日になれば分かる」レースペースの未知数、複雑なポイント差、そして三つ巴のプレッシャー。それでもフェルスタッペンは静かに覚悟を決めている。明日の決勝、すべてはその瞬間に委ねられる。