マックス・フェルスタッペンは、10年前にF1日本GPのプラクティスセッションでデビューを飾った際、鈴鹿での初めての経験に「怖気づいた」と振り返った。17歳の誕生日から3日後、トロ・ロッソのプラクティス1回目で12番手タイムをマークしたフェルスタッペン。フェルスタッペンは、チームのレギュラードライバーであるダニール・クビアトから0.5秒以内のタイムで周回を重ねた。
現在、3度のワールドチャンピオンに輝き、過去2回の日本グランプリを制したフェルスタッペンは、鈴鹿が「間違いなくお気に入りのひとつ」だと語るが、デビュー走行では高速コースが険しい課題だと感じたという。「初めて実際にサーキットを走るのは、かなり怖いことだと思う」とフェルスタッペンは語った。「そう感じたんだ。ここでちゃんとしたF1マシンを走らせるのも初めてだったしね」鈴鹿は中高速コーナーが多く、ドライビングが特に楽しいトラックだとフェルスタッペンは言う。「クルマが本当にハマるととても楽しい」「最初のセクターでバランスがあまり良くないクルマだと非常に困難なものになる。でも、クルマが非常に安定していると大きな自信が得られ、セクター1を本当にプッシュできるようになる。僕にとってそこがこのトラックの最高の部分だ」高速コーナーが多いにもかかわらず、鈴鹿サーキットはところどころランオフが少なく、フェルスタッペンはそれを好んでいる。「コース幅が狭いから、ちょっとしたミスをすると芝生やグラベルに落ちてしまう。ワイドに走れて、ターマック(舗装路)を走って、コース上に復帰が可能な他のトラックよりも、ちょっとプラスになる」「だから、もう少しプッシュすれば、本当に暴走してクラッシュしてしまう危険性が少し高まるということをしっかりと認識しておく必要がある。それが僕にとってとても特別なものにしている」鈴鹿は多くのドライバーにとってお気に入りのサーキットだ。フェルスタッペンの元チームメイトであるアレクサンダー・アルボンは、その狭さがマシンの速さをより際立たせていると語る。「狭いとスピードへの没入感が増すんだ」とアルボン。「正確さもより高くなければならない」「ほとんどの場合、多くの縁石はオリジナルのままだ。少しは変わっているけど、大部分はトラックの特徴に忠実だ」「起伏やキャンバーなど、レーストラックにはあって市街地トラックにはもうないものばかりだ。それに、とにかく妥協がない。ランオフが本当に少ない。白線と芝生だ。だからドライバーとしては、走っているときにアドレナリンを感じることができるし、速く走るためにはもう少しラインを上げなければならないことがわかる。それがいつも楽しいんだ」ジョージ・ラッセルは、鈴鹿が最近のトラックよりも優れているもうひとつの違いを強調した。「アンジュレーション(起伏)があり、キャンバーコーナーもある。非常に素晴らしいものにしている」「ポルティマオやオースティンのような起伏のあるサーキットは、運転していて本当に楽しい」「エイペックスに向かってバンクしているコーナーは本当に気持ちいい。サーキットの中にはオフキャンバーのコーナーがあるところもある。いろいろなラインを走れない。キャンバーコーナーとアップダウンの組み合わせは、このサーキットを特別なものにしていると思う」しかし角田裕毅は、キャリアの初期にもっと遅いF4マシンでこのトラックを何周も走ったときには、あまり楽しめなかったという。「このトラックは1,000周くらい走ったかな」と角田。「それ以上、10,000周くらいかもしれない」F4マシンのラップタイムはF1マシンより45秒ほど遅い。「F4はダウンフォースが少ないから、とにかく滑るんだ」「とにかく、運転するのは楽しい。ここは決して飽きない。どの周もドライブするのがとても楽しい。お気に入りのコーナーは、速い右のコーナー(デグナー)だと思う」