『おばあちゃんみたいに走りたくはない』 F170周年記念GPのレース中にレッドブル・ホンダF1のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼからタイヤを労わるために後退することを指示された際にマックス・フェルスタッペンが無線で発したこと一言は、彼のドライバーとしての闘争心を最も現している。
上位勢で唯一ハードタイヤでスタートしたマックス・フェルスタッペンは、スタートでニコ・ヒュルケンベルグを交わして3番手を走行していた。前戦F1イギリスGPではすぐに5秒以上の差をつけられていたマックス・フェルスタッペンだったが、今回は約2秒差でついていっている。メルセデスの2台にはタイヤにブリスターが発生していた。それでも、ジャンピエロ・ランビアーゼは『タイヤマネジメントを忘れないように。もちろん、タイヤの限界の範囲内でできる限り速く走ってほしい』と伝える。マックス・フェルスタッペンは『基本的に完全に言われたとおりに走っているよ!」と返答している。12周目、2番手を走行してルイス・ハミルトンが無線で『リアが終わった』と伝える。マックス・フェルスタッペンはDRS圏内である1秒差に迫る。すかさず、ジャンピエロ・ランビアーゼ は『マックス、この段階でタイヤのためには少し近づきすぎだと思う。とにかく後退してほしい』と伝える。すると、マックス・フェルスタッペンは『メイト(相棒)、これはメルセデスに近づける唯一のチャンスだ。僕はただおばあちゃんのように座っているだけではない!』と発し、指示を無視してルイス・ハミルトンにプレッシャーをかける。 この投稿をInstagramで見る FORMULA 1®(@f1)がシェアした投稿 - 2020年 8月月9日午後1時15分PDT 最終的にこの段階でマックス・フェルスタッペンがコース上でルイス・ハミルトンを抜くことができなかったが、13周目にトップを走行していたボッタス、そして、14周目にハミルトンは堪らずピットインする。その後、数周で2番手に浮上してマックス・フェルスタッペンを追いかけるバルテリ・ボッタスのタイヤにブリスターが出来ており、フェルスタッペンとの差は約19秒に広がっている。フェルスタッペンは1分31秒3、ボッタスは1分31秒8と0.5秒ずつ差が広がっている。ハミルトンはボッタスよりも0.6秒遅い。フェルスタッペンのタイヤはまだ綺麗だ。26周目、マックス・フェルスタッペンがピットインしてミディアムに交換。3.2秒とやや時間がかかり、ボッタスの後ろでコースに復帰するが、その周ですぐにリードを奪い返す。ルイス・ハミルトンが「フェルスタッペンの内圧低いんじゃないの?」と疑うほど、タイヤの状態に差がある。レース後、マックス・フェルスタッペンは「良いスタートを切って、すぐに3番手になれたことが助けになった。最初の数周はついていくのが難しいだろうことはわかっていけど、そのあと僕の前の2台ともがタイヤにトラブルを抱えているのが見えた」と振り返る。「ギャップを縮めて、彼らがピットインした後は自分のペースで走ることができたし、基本的に自分がピットインするまで本当に感触は良かった。まったく苦労しなかったし、第1スティントを伸ばすことができた。そこが鍵だったと思う」無線を無視してプッシュしたことについてマックス・フェルスタッペンは「僕たちはここまでの全てのレースで彼らをプッシュする機会がなかった。プレッシャーをかけようとしていたし、彼らはピットに入らなければならなかった。それ以降は、自分のペースで走ることができたし、基本的にそのアドバンテージを最後まで築くことができた」は語る。「僕はすでに自分のタイヤを管理していたけど、彼らのタイヤは完全になくなっていたし、タイヤ傷んでいるのが見えた」「あのあと、彼らにとって続けることが不可能なポイントがきて、彼らはピットインした。それがレースの始まりだった。マシンがかなりまともなときには、特にただ座っているのが嫌いなんだ。自滅して、タイヤを殺して、必死に乗り切ろうとするときもあるけど、今日はそうではなかったと思う」レース終盤には無線で『ちゃんと水を飲んでる?』と伝えたマックス・フェルスタッペン。これは前戦F1イギリスGPで前後との大きな差がついた孤独なレースを強いられているときにフェルスタッペンが無線で伝えた言葉だ。さらに『手に汗をかいていると思うから、ちゃんと衛生的にしておいてね』と伝えている。トップを走っている際もそれくらい落ち着いて余裕をもったドライビングが出来ていた現れだ。 この投稿をInstagramで見る FORMULA 1®(@f1)がシェアした投稿 - 2020年 8月月9日午前10時15分PDT
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